閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
69.聖剣へ
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アスナの肩からユイが精一杯呼びかける。
トンキーは徐々に近づいてくるに連れて、初対面の四人が後ずさる。
「へーきへーき、あいつああ見えて草食だから」
「でも、こないだ地上から持ってったお魚上げたら、一口でぺろっと食べたよ」
「…………へ、へぇ」
クラインたちがもう一歩下がる。
「あとこいつ電撃放つから気をつけろよ、特にクラインな」
さらにクラインだけ後方に下がるがもう下がれない。
「ほれ、背中に乗れっつってるよ」
「そ……そう言ってもよぉ、オレ、アメ車と空飛ぶ象には乗るなっつうのが爺ちゃんの遺言でよぉ……」
「お前の爺ちゃんのピンピンしてんだろ!」
クラインの背中を目一杯の力で押す。トンキーの背中へとダイブする形で乗り込むクライン。続けてシノン、シリカ、リズベットの順に乗って行く。初めてではないリーファとアスナが軽く飛び乗り、最後に俺とキリトも邪神へと飛び乗った。
「よぉーし、トンキー、ダンジョンの入り口までお願い!」
首の後ろに座ったリーファが叫ぶと、トンキーは八枚の翼を羽ばたかせる。
「……ねぇ、これ、落っこちたらどうなるの?」
リズベットが言った。
ヨツンヘイムは、新規アップデートによって原則全種族飛行不可になり、闇妖精族である俺も飛行不可となった。
三十メートルを超える高さから落ちても確実に死亡する。なら高度一千メートルから落ちたらどうなるのであろうか。
リズの問いに答えたのは、彼女の隣にぺたんと座るアスナだった。
「きっと、そこにいる、昔アインクラッドの外周の柱から次の層に登ろうとして落っこちた人たちが、いつか実験してくれるわよ」
「…………高いとこから落ちるなら、ネコ科動物のほうが向いてんじゃないか」
「こういう時はとりあえず、大人に任せるのが基本だろ」
ネコ科二人と大人一人が首をぶんぶんと振る。
安全運転で向かうトンキーが入り口に来たと思ったら、急降下を始めた。
「うわああああ!?」
男の三名の絶叫。
「きゃああああ!」
女性陣の高い悲鳴。
「やっほーーーーう!」
一人違う反応をする《スピード・ホリック》の少女、リーファ。
トンキーは、俺たちが最初にウンディーネのレイドと戦った場所に降り立った。
そこには驚愕の光景が広がっている。かつてのトンキーと同じ姿の象のようなクラゲの大型モンスターを攻撃している大勢のプレイヤーたち。さらに驚いたのは、フォルムは人間型だが、腕は四本、顔は縦に三つ並んでいる。
こいつは間違いなく最初に俺たちがトンキーを助けた時に戦った人型邪神だ。
「あれは……どうなってるの?あの人型邪神を、誰かがテイムしたの?」
「そんな、有り得
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