閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
69.聖剣へ
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のアスナとリーファに散々ダメだしされた。
アスナの肩から飛び立った小さな妖精ーーナビゲーション・ピクシーのユイが、キリトの頭に移動する。
「買い物ついでにちょっと情報収集してきたんですが、まだあの空中ダンジョンまで到達できたプレイヤーまたはパーティーは存在しないようです、パパ」
「へぇ……。じゃあ、なんで《エクスキャリバー》のあの場所が解ったんだろう」
「それがどうやら、私たちが発見したトンキーさんのクエストとは別種のクエストが見つかったようなのです。そのクエストの報酬としてNPCが提示したのがエクスキャリバーだった、といおことらしいです」
ポーション類を整理していたアスナが水妖精族特有の青いロングヘヤを揺らして振り向く。
「しかもどうやらソレ、あんま平和なクエじゃなさそうなのよ。お使い系や護衛系じゃなくて、スローター系。おかげで今、ヨツンヘイムはPOPの取り合いで殺伐としてるって」
「……そりゃ確かに穏やかじゃないな……」
「……だな」
虐殺系、とはその名のとおり、同じモンスターを何匹以上倒せやドロップアイテムを集めろとか類のクエストだ。すると狭いエリアで同目的パーティーが、POP、モンスターの再湧出を奪い合いが生まれる。
「でもよぉ、ヘンじゃねえ?」
酒を飲み干したクラインが口を挟む。
「《聖剣エクスキャリバー》ってのは、おっそろしい邪神がウジャウジャいる空中ダンジョンのいっちゃん奥に封印されてンだろ? それをNPCがクエの報酬で提示するってどうゆうこった?」
「言われてみれば、そうですね」
シリカも、頭からピナを下ろして首を捻る。
「ロンギヌスの時みたいにボスを倒すためのキーアイテムとかじゃなきゃいいんだけどな」
「ーーま、行ってみれば解るわよ、きっと」
キリトの隣で、シノンが冷静なコメントを発した直後、工房の奥でリズベットが叫んだ。
「よーっし! 全武器フル回復ぅ!」
「おつかれさま!!」
リズへの感謝の唱和。輝きを取り戻したそれぞれの武器を受け取り、腰や背中に身につける。次にテーブルの上の八分割されたポーション類を貰い、ポーチに収納。持ちきれない分は、アイテム欄へ。
ちらりと時計を確認すると、まだ午前十一時。
準備が完了したところで、キリトが皆を見回し、咳払いしてから言った。
「みんな、今日は急な呼び出しに応じてくれてありがとう! このお礼はいつか必ず、精神的に! それじゃあーーいっちょ、頑張ろう!」
皆の苦笑混じりの、おー!の声を背にキリトはくるりと振り向き、工房の扉を開ける。
目指すは、イグドラシル・シティの真下のアルン市街のさらに下、地下世界ヨツンヘイム
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