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アーチャー”が”憑依
四話
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番強い。まぁ、放つだけならもっと上があるが」

エヴァは頭の中で今後の方針を模索する。この厄介そうな弟子をどうそだてたものかと、考えを巡らせているのだ。

(奴が充分だと判断したものに関しては教える必要はないな。となれば魔力の効率運用や総合戦闘等が主か。そういえばエミヤはやけに器用だったな。魔法薬や、魔法具の作り方を教えれば面白いものを創るかもしれん。ああ、ついでにアレも教えてみるか? 人の身には負担が大きいが、エミヤなら使いすぎて暴走……何て無様な真似はしないだろう。ククク、面白くなってきた)

「もういいのか」

いつのまにやら紅茶を飲み始めているネギは漸く気を戻したであろうエヴァに声をかける。途中から顔に笑みを浮かべていたことから察するに、当人にとって楽しい・面白いと思える思考だったのだろう。

「エミヤ、修行は明日からさっそく始める。平日は最低二時間、休日は最低五時間は行う。この別荘をフル活用するからな。覚悟しておけ」

「了解だ。たとえ来るのが夜中でも、ここを使えば睡眠不足に陥る心配もなさそうだ」

最後にもう一度ワインを酌み交わし、二人はそれぞれ床についた。





とある女子寮の一室。

「ネギ先生、それは……」

「刹那か。これはイギリスの知り合いに協力してもらい鍛ったものだ」

ネギの手に握られているのは一本の小刀。丁度ネギは手入れをしていたのだ。

「見せてもらってもよろしいですか?」

「構わんよ」

一応、鞘に戻して刹那に手渡す。刹那は鞘から引き抜き、あらゆる角度からその小刀を検分した。その表情はとても真剣で、戦闘中のものとさして変わらないほどだった。

「素晴らしいです。ネギ先生はこれほどのものを鍛つことができるのですか」

「さすがに一人では無理だがな。まぁ、趣味のようなものだ」

これほどのものを鍛っておいて趣味と言っては世の鍛冶師が泣くのではないかと刹那は思ったが、言わぬが花と口を開かなかった。

「気にいったのなら譲るが……他にも何本かあるから出してやろう」

「い、いえ! そのようなことをしていただくわけには!」

「気にするな、ほとんどただで鍛ったものだからな」

最初は材料は持ち込みで少しばかりの金を払って器材の貸し出しと手伝いを頼んでいたのだが、譲った影打ちが大層な値段で売れたらしく、これからも影打ちを数本鍛ちそれを譲ることを条件に材料も向こうが用意、さらには器材の貸出料もいらないと言われたのだ。なので、ある一時からネギは一銭もかけずに刀剣を鍛つことができていたのだ。

「そら、好きなのを選ぶといい」

「本当によろしいので?」

「私が持っていても殆ど使ってやれんからな。ただ放っておくより万倍よかろう」


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