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アーチャー”が”憑依
四話
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う技術は身につけておいて損はないからな」

食後の一杯にエヴァ秘蔵のワインを開け、杯を交わす。最も、ネギは子供の体であるため本当に一杯だけだが。

「んむ、それでいつ使った?」

「遅延呪文か?」

「少なくとも、私はいつ遅延呪文を準備したか察知できなかった」

少なくとも魔法に関しては自分が上だと思っているエヴァにとって、遅延呪文を察知できなかったのはいささか屈辱だったのだろう。その言葉には自分を卑下にする感情が若干含まれている。

「そうだな……ここに入ってからおよそ三時間。となると、丁度四時間ほど前だな」

「んな!?」

驚愕。確かにネギは四時間前だと言った。遅延呪文は使い手が少ない技法だし、エヴァ自身もそんなに使用したことはない。だが、少なくとも四時間程の時間を簡単に遅延させられるとは思えなかった。

「ちょっとまて、それは本当なのか?」

「ああ、私は常に二種類の魔法を遅延させている。最も遅延させられる時間は四時間が限界なのでその度に術式を構成しなおしているがな」

開いた口が塞がらないとはこの事か、エヴァはネギの前で間抜け面を曝していた。

「そろそろ、私の口から今までどのような修行をしてきたか伝えておくか」

「あ、ああ。そうだな」

ネギの声でようやく気を取り戻したエヴァは頬を赤く染めながら首肯した。そして、ネギの口から麻帆良に訪れるまでの修行の内容が明かされていった。


「私が特殊だと言うことは君も分かっていると思うが、実はそれが魔法にも影響を与えていてな。世界を救った英雄”ナギ・スプリングフィールド”の息子、”ネギ・スプリングフィールド”には親譲りの膨大な魔力。そして、それを使いこなせるだけの才能はあった。しかし、実際にその体を動かしているエミヤシロウの魂にはとことん才能がなかった……才能のある体と才能の無い魂、この二つに齟齬が生じるのだ」

「齟齬?」

「ああ。例えば火を灯す魔法だが、習得と言う点においてならば私は初めて呪文を唱えた時に成功した。だが、次は魔力を多く込めて火力を強めようとしたが、これがなかなか上手くいかなかった。魔法の射手も似たようなものだ」

「なるほど、ようするに……」

習得は速いが、練度が中々上がらないというわけだ。それもかなり深刻である、と言うことだろう。事実、ネギは戦闘で使えそうな呪文は先の実力試しで使ったものを含めて十程度しかない。

「それが分かってからは、ある程度習得する呪文を絞り練度を高める修行をしながらそれらをより生かせそうな技術の習得に時間を費やした。と、まぁその結果が先ほどの戦いと言うわけだ」

「そういうことか。では、今貴様が使える呪文で一番高位なのは」

「雷の暴風だな。実用に足る呪文ではあれが一
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