四話
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すぐさま体勢を立て直し、高等技法”虚空瞬動”を用いて再びエヴァへと向かっていった。
戦いを初めておよそ二時間。それだけの時間戦闘を行っても二人は互いに無傷。精々服がボロボロになっている程度だった。
「やれやれ、埒があかんな」
「そうだな。だが、もういいだろう」
「ああ」
「「終わらせよう」」
二人から発せられる膨大な魔力に、足元の砂が弾け、空をまう。まるで競い合うかの様に魔力を放出する二人……先に動いたのは、ネギだった。”瞬動”、地上においての高速移動技法である。先ほどまであまり使われていなかった技法をつかってくるネギにエヴァは顔を楽しそうにゆがめる。一体、何をしてくるのかと。エヴァの頭の中にあるのはそれだけだった。
――魔法の射手・光の57矢!
無詠唱で放たれた57の光の矢。その軌道をを見たエヴァは、直ぐにその狙いを看破した。
(目くらましか!)
着弾。エヴァの足元へ向けて放たれた魔法の射手は、砂塵を巻き上げネギの姿を隠した。
「ちっ、どこだ!」
本来ならば、エヴァにこの程度の目くらましは意味はない。なぜなら長き戦いの時を生きたエヴァは非常に高い魔力察知能力を身につけているからだ。しかし、先ほどまで感じ取られていたネギの魔力を今は微塵にも感じない。完全な隠蔽……つまり、身体強化すら行っていないということだ。今のエヴァに殴られれば軽傷程度ではすまない……運が悪ければ死ぬかもしれない状況に、迷いなくその身を置くネギに、エヴァはそういう男だと知っていても戦慄した。
――解放、魔法の射手・戒めの風矢!
そんな事を考えていたからだろうか……解放された呪文が放たれるその瞬間まで、エヴァはネギの接近に気付くことができなかった。
「遅延呪文!?」
魔力の感知から発動が恐ろしく速い。そのことからエヴァはネギが”遅延呪文”を使ったと判断した。しかし、それが分かった所で回避が間に合うわけもなく、エヴァは風の矢によって体を締め付けられ捕縛される。
「なめ、るなああぁああぁああ!」
その身に宿す膨大な魔力を放出し、力づくで拘束を破ろうとする。エヴァをもってすればその時間は一秒もあれば十分だろう。しかし、ネギの行動の方が遥かに速かった。なぜなら、ネギは既に準備を終えているのだから。
――解放、雷の暴風!
風を伴う雷が、エヴァの体を飲み込んだ。
「それで、私の腕はどうだった?」
「どうだったもなにも、学園ではタカミチと爺ぐらいしか相手にならんだろう」
「ほう、それは嬉しい評価だな」
二人は机に並べられた料理を見事なテーブルマナーで食していった。
「まさか遅延呪文を使ってくるとは……いささか驚いたぞ」
「ああい
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