四話
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の名を呼ぶものがいてもよかろう?」
「ああ、かまわないさ」
こうして、600年を生きた真祖の吸血鬼とかつて英雄にまでなった男は互いを対等の存在として認め合った。この絆はある意味他の何よりも強いものとなっていく。
「はあぁああああぁああ!!」
「おおぉぉおおぉおおお!!」
南の島を思わせる砂浜で、ネギとエヴァ……二人の拳が衝突した。
「さて、早速だが貴様がどの程度できるか見せてもらおう」
二人の会合から三日の時が既に過ぎていた。準備が整ったとの知らせをうけたネギはエヴァ宅を訪れてすぐに、この”別荘”へと連れてこられたのだ。曰く、この中でなら学園の結界によって封じられている魔力は回復するらしい。さらに、破損しても修復が容易とのことでここが修行場所に選ばれたのだ。
「ああ、そういえば見せたのはエミヤの頃の記憶だけだったな」
つまり、エヴァはエミヤとしての実力は知ったものの肝心のネギとしての実力は全く知らないのだ。仮にも師となるのならば、弟子の力を把握することは必至だろう。
「そういうわけだ。どうせ傷ついても直ぐに治る。思い切りやって構わんぞ」
「了解だ」
背負った長杖を手に、ネギは詠唱を開始した。
――魔法の射手・光の37矢!
――魔法の射手・闇の37矢!
白と黒の光の矢がぶつかり、弾け飛ぶ。魔法使いにとって基礎となる攻撃魔法、”魔法の射手”。二人の戦いはそれの打ち合いとなっていた。基礎とあなどるなかれ、応用がしやすく、また数も大量に容易できるこの魔法は戦いにおいて非常に役立つ。それに、基礎であるが故に腕の差が如実に表れるのだ。
――魔法の射手・雷の83矢!
――魔法の射手・氷の83矢!
互角……エミヤと言う過去の経験を持つとはいえ、この世界に生を受けて10年たらずで最強の魔法使いたるエヴァと並ぶのは賞賛に値する。しかし、この程度で実力を測りきれるはずもない。二人の戦いは次の展開へとうつっていった。
――戦いの歌!
魔法の射手から一転して自身への魔力供給による身体強化を施すネギ。接近戦を行うつもりなのだ。実力を測らんとするエヴァにそれを避ける理由はなく、エヴァもまた身体強化を施した。
先ほどまでとはうって変わって戦いは地味なものとなった。なんせ両者ともにまだ一撃も攻撃をくらっていないのだ。いなし、かわし、防ぐ。次々と繰り出す拳や蹴りの嵐を、互いに完全に見切っているのだ。
「ふっ」
小さな声とともに放たれたネギの高速の拳。それを当たり前のようにかわしたエヴァは突き出された拳をからめとり……
「はっ!」
そのまま投げ飛ばした。投げ飛ばされたネギも追撃を受けまいと
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