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《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
ネメシス
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となって爆散していた。罵倒の続きは街でたっぷり出来ることだろう。

「……さてと」

メイソンは装備についた塵をはらって立ち上がった。ごきごきと首を鳴らして、今後どう動くか軽く考えを巡らせる。

あのように啖呵は切って見せたものの、状況は正直言ってよろしくない。

半年間のブランクがあるのにも関わらず、よく調べもしないで狩り場をここに選んだの失敗だった。出口を封鎖したという言葉が真実であれば、すでにそれなりの《ネメシス》のメンバーが到着したと見て間違いない。

袋の鼠。時間が経てば経つほどこちらが不利になる仕組みである。

ならば、早急に行動を起こした方がいい考えるのは当然で、残弾を確認しつつ一歩を踏み出した、まさにその時だった。

カランッ、と何かが目の前を転がる。始めは落ちてきた瓦礫かと思ったが、コンマ数秒の時間を置いてそれが間違いだと悟る。

メイソン自身もよく使用する武器、プラズマグレネードだった。

薄い外装を突き破り、急速に膨れあがったプラズマの奔流を、躱すことができたのは殆ど奇跡だった。完璧な不意打ちである。

油断していた我が身を呪いつつ、2丁の《ウージープロ》を振り上げたメイソンの目に映ったのは、物陰から飛び出し、銃口をこちらに向ける複数のプレイヤーだった。それなりに腕に覚えのある連中であることは動きを見れば分かる。表示された数え切れないほどの弾道予測線に、メイソンはたまらず壁際へと飛んで逃げた。

一瞬、彼らが胸に付けているエンブレムが見えた。翼と剱を持つ女性の絵は、戦女神とも取れるがそうではない。メイソンの記憶が正しければ、あれは”神罰”の象徴たる《ネメシス》を意味するものだったはずだ。

事態は、自分の予想よりも急ピッチで進行していたらしい。

「糞……!」

空中で体を捻り、壁を思い切り蹴飛ばしたメイソンは、その勢いで敵の眼前へと突っ込む。弾丸が不吉な音をたてて頬を掠めた。

着地と同時にメイソンの銃口が持ち上がり、間近で呆けていた2人に風穴を穿った。が、如何せん敵の数が多すぎる。

敵の前衛は確認できただけで20人近く。後方に控えるプレイヤーがそれより多いことはないが、それが勝機に繋がるとは到底思えなかった。

狙いを定める暇も惜しく、敵をなぞるようにして引き金をひくメイソンは、このままでは弾丸が持たないことに気がつき始めた。

じわじわと流れが敵の方に引き寄せられているのが分かる。

何も考えずに突進したくなるような衝動を抑えつつ、メイソンはセミオートに設定した《ウージープロ》に途切れ途切れの銃火を閃かせた。すると、比べものにならない数の反撃が返ってきて、知らず奥歯を噛みしめる。

自慢の素早さでも全弾回避は叶わない。着弾の鈍い衝撃を受けてメイソンは
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