第四十八話 思春期A
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か、本局のお偉いさんの弱みなんて持っていたんですね」
「何を言っている。6年前にお前が自分で持ってきた情報に決まっているだろう」
「勝手に俺、脅しの共犯者にされていた!? そして俺の頑張りを何に使っているんですかッ!」
6年経てば、そりゃあの時の人たちも出世していますよね。あの時はとにかく必死に情報を集めまくっていたから、管理局の人たちのものもそれなりにあったのだ。その中には、ヒュードラの逮捕劇には関係ないものや、黒歴史程度に過ぎない情報だってあっただろう。名づけて『人生で、やっちゃったと思い出せる何かがここにありますシリーズ』。……とばっちりごめんなさい、心の中ですが謝っておきます。
それにしてもこの人、サッカーのためにここまでするか。ちくしょう。普段はいつも通りなのに、サッカーのことになると途端に目の色が変わってしまう。お姉さんを発動しないとマジで止まらないからな、この人。そしてしっかり手綱を引いているあたり、さすがは本家お孫さん。
「根本的な疑問ですが、ミッドの護りは大丈夫なんですか?」
「お前の母親の所属する開発グループ。確か『傀儡兵』だったか? あれを大量に地上部隊に献上してくれたからな。動力源の方も問題なく稼働している。Aクラス並みの魔導師が大量に手に入ったんだ。あとは、資金を手に入れることだけだ」
そういえば、何ヶ月か前に大きなプロジェクトが終わったって飲み会をしていたっけ。そろそろ焦りだした同僚さんの婚活活動のすごさに忘れていたけど、開発グループのみんなは元気に活動をしている。あの時は傀儡兵のことも驚いたけど、一番は『ヒュードラ』が完成したことだったな。
傀儡兵の動力は、魔力駆動路から供給される魔力。そう、母さんたちはついに念願を果たしたのだ。ヒュードラは次元世界に正式に認められ、人々を救う発明へと変わった。母さんたちの頑張りが、実を結んだ結果が、ミッドの平和に繋がる。俺にとってもヒュードラは、胸を張れる『誇り』となった。
「そっか…。それで資金獲得のための副業ということで」
「あぁ、傀儡兵をミッドの守護に充てることで、人材が浮くからな。訓練などの時間に充てられる。長期的な人材の確保と育成を目指し、いずれは現状の打破を目指す」
ぶっ飛んでいるようで、理屈はちゃんとあるらしい。まぁ、副官さんが考え、おじいちゃんが許可を出したのなら実現不可能という訳ではないのだろう。
「というか、今更ながら母さんたちのハイスペックぶりに呆れる」
「俺もそれは思ったが、お前の親だと考えたらなんかどうでもよくなった」
「ボールはトモダチさんに言われたくないんですが」
なんだかんだで近況報告やら司書関係の書類の提出を終え、ちょっと寛いでいた時の会話でした。副官さんはサッカースイッ
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