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少女1人>リリカルマジカル
第四十八話 思春期A
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『IDカードを確認します。音声確認のため、名前をお願いします』
「アルヴィン・テスタロッサです。えーと、ID、ID…」

 俺は機械音声の指示に従い、自身の名前と端末を開き、証明書を提示する。目の前の機械から俺のIDカードを読み込む音が響き、続いて『IDカードの確認が取れました』と音声が流れた。毎度のことながら、この場面はちょっと緊張するな。

『おはようございます。今日のご用件は?』
「いつも通り無限書庫で調べ物をしにきました。補佐として、俺のデバイスと魔導書をつれていきます」
『―――はい、確認しました。それとD区間にある本の整理が依頼としてありますが、どうされますか?』
「うわぁ、まじか…。え、えーと、わかりました。それじゃあ、今日はそのあたりで調べ物をしながら仕事をします」

 そして相変わらず、人使いが荒い。俺はまだ11歳なんだけどな…。この前も頑張って整理したばっかりなのに、もう次の依頼が来るとは。覚悟はしていたけどさ。管理局は人材不足だし、子どもだろうと猫の手を借りたいほどなんだから、仕方がないのはわかるけどね。

 無限書庫といった裏方に、それほど人材をさくことができないのが現状である。そんな中で、高魔力と転移のレアスキル、さらにロストロギア所持の許可をもらっている俺にお鉢が回ってくるのは当然のことだった。それでも子どもだからと内容は考慮してもらっているし、何よりもメリットが大きい。そのため、多少の大変さは受け止めるべきだろう。

「コーラル、D区間って確か魔法技術関係の書物があったところで合ってる?」
『はい、そうですよ。……今回のご依頼はD区間の中でも、特に「D022613K未整理区画」をとのことです。これはおそらく、ロストロギア関係の可能性が高そうですね』
『ふむ、管理局からの依頼ということを含め、遺物の情報をまとめておいてほしい、といったところか』

 俺の端末に送られてきた仕事内容の詳細から、コーラルとブーフがそれぞれ意見をくれる。内容的に急ぎのものではないみたいだが、ロストロギア関係は丁寧にやらないとまずいため、本当に時間がかかるんだよな。

 ロストロギアほど迂闊に手を出せない危険物はない。だからこそ、無限書庫で資料を調べ、正しい情報を集める必要がある。間違った知識だった場合、管理局の人や周辺の人々、さらに世界をも危険にさらしてしまうかもしれないからだ。

 備えあれば憂いなし。いつもはロストロギアの情報が必要になったら、その都度チームを組んで調査をしていたが、それでは後手に回ってしまうのは当然。最初から情報が完備されていれば、スムーズに事件を解決できるだろう。だからこそ、今回のような依頼が入ってくるのだ。次元世界では、何が起こるかわからないのだから。


「まぁ、頑張る
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