暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
17弾 額の傷
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整備してたフリをしてるらしい。

「――――お見舞い?」

 そして、露骨に嫌そうな目で俺を見てくる。

「ケガ人扱いしないでよ。こんなかすり傷で入院なんて、医者は大げさだわ」

「れっきとしたケガ人だろうが。その額の傷――――」

「傷が何だっていうの?なにジロジロ見てるのよ」

「いや、その……それ、痕が残るんだろ?」

「だから何?別に気にしなくてもいいわよ。あんたも気にしなくていい。はい整備終わり」

 がしゃ、と拳銃をサイドテーブルに置くと、アリアは腕組みをした。

 気にしてない、だって?バレバレな嘘つきやがって。そんな悲しそうな顔で言っても、説得力ないってのに。

「武偵憲章1条。仲間を信じ、仲間を助けよ。あたしはそれに従っただけ。あんただから特別に助けたわけじゃないわ」

「武偵憲章なんて……あんなキレイ事、そんなバカみたいに守るなよ」

「……あたしがバカだって言いたいわけ?ミズキの分際で。でも……確かにそうね。あんたみたいなバカを助けたあたしは、バカだったのかもね」

 ぷいっ、とそっぽを向いたアリアに、俺は……これ以上この話題で話すのが嫌になって、アリアにコンビニの袋を差し出した。

 しばらくの沈黙の後、ふんふん、とアリアの鼻が小さく動く。

「……ももまん?」

 開けてもいないのに、ニオイでわかったらしい。

 アリアは紅いツリ目をぴきっと見開いて振り向く。

「食えよ。店長に頼んで大至急取り寄せてもらったんだ。10個買ってきた。大好物なんだろ?」

 そう言うとアリアはしばらく黙って袋を見ていたが、がさっ、と奪い取りざまに手を突っ込んだ。

 そして、はむはむはむはむ……と、冷めかけのももまんをがっつく。

 なんていうか、手負いの猛獣に餌付けしてるみたいだな。今の俺って。

「ゆっくり食えよ。別にももまんは逃げていったりしないんだから」

「うるふぁい。そんなのあたしの勝手でしょ」

 あんこのついた口で憎まれ口を叩くと、アリアは黙々とももまんを食べ続けた。

 武偵病院のメシはマズイことで有名だ。アリアはきっと、あまり食べていなかったんだろう。というか、そうでも思わないとこの光景の説明がつかない気がする。

「まあ……食べながらでいいから聞け。あの後、犯人が使っていたホテルの部屋が見つかった」

「……宿泊記録は?」

「どうせ予想はついてるんだろ?たぶんそれで正解だ。宿泊記録はない。というか、宿泊データが外部から改竄(かいざん)されたんだ」

 俺は鞄からクリアファイルを取り出し、アリアの膝元に置いた。

(みね)理子(りこ)を中心に、探偵科(インケスタ)鑑識科(レピア)に部屋を調べてもらった。だが
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