黒蝕の陰、天廻の陽
未知の中の見慣れた竜
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「お、おはようございます…。」
少しかすれた声と共にアルフレッドが朝日を浴びるジャックスに挨拶をした。
「おう、おはよう!その様子だと…昨夜は存分に楽しんだようだな。ハッハッハ!」
「勘弁して下さいよ…昨日は何時にも増して凄かったんですから…。」
軽快に笑うジャックスに頭を押さえるアルフレッド
「っと、言い忘れてたがここが件の樹海だ。どうだ?お前さんから見たこの樹海は。」
こう告げられたアルフレッドは周囲を見渡した後、遠くを見やる。
「見た感じ、タレミシアにあったバテュバトム樹海とは全然違いますね…。」
バテュバトム樹海は読者の世界で言う「樹海」のことであり、ナルガクルガ・ヒプノックなどの主な生息域とされている地域のことを指す。
「ああ、俺もバテュバトム樹海には行った事があるがそことは異質な雰囲気を醸し出しているな。
バテュバトムの樹海は樹木や草本類が繁茂してたり、奇面族の集落があったりと自然的な繁栄を見て取れるが…。」
話しながらジャックスもアルフレッドと同じように遠くを見やり
「こっちの樹海は遺跡のような構造物の存在が報告されていたり、もっと言うとあえて構造物を使った壁のような物を築き、モンスターの侵攻を防いでいるように見えるとの報告から人工的な繁栄を聞いて取れる。ひょっとすると今もまだ何かの民族が住んでたりしてな。」
と、腕を組み関心する。
「にしても何故この樹海を通ることになったんです?」
観察を終えたアルフレッドが尋ねた。
「ああ、理由は単純だ。どうやらこの周辺地域にイャンクックが生息しているみたいだとの証言が入ってな。恐らくここにも来るだろうからついでに潰してしまおうというのが目的さ。」
「確証はあるんですか?」
「ああ、あるとも。我々が来る前にここを通りかかったキャラバンから『土が掘り起こされた後が多数見つかった』という証言と『掘り起こされた土の近くにクンチュウの甲殻の欠片と桃色の鱗が落ちていた』という証言の二つが寄せられていてな。」
「そこまで行くとこの地域にイャンクックが生息しているのはまず間違いないですね。」
「ああ。まぁ君達なら討伐は余裕だろう、ここを通る他のキャラバンのためにも危険を取り除いてくれ。」
「分かりました、でもその前に朝食を摂ってきます…。」
「ん?ああ、分かった。他のメンツは俺が様子を見に行ってこよう。」
「お願いします…。」
アルフレッドは気だるそうにマイハウスへと向かった。
「…ここの水は気持ちいいな。」
川で顔を洗っていたのはガートン
「そうですねぇ、こういう川がもっとあればいいんですけど。ええ。」
お嬢も顔を拭きながら一言
「…こ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ