暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
After days
挿話集
妖精達の凡な日常B
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らそれをオブジェクト化しシウネーに見せるが、彼女も知らないらしい。

「すみません。なんだか大した事無くて……」
「いえいえ、凄かったですよ!セインさん」
「あ、ありがとうございます」

シウネーの素直な賛辞にセインは少し頬を染めた。
























アルヴヘイムの1日は短い。これは決まった時間帯にしか出現しないモンスターを決まった時間しか入れないプレイヤーも狩れるようにするための仕様だ。
便利なこの機能だが、人間の本能として辺りが暗くなると目的が無い限り何となく街へ戻って来てしまう。
セインとシウネーもまた、あれからアルン沿革の観光スポットを気の向くままに回ってからアルンに戻ってきた。

「はぁ〜。凄く楽しかっですね!」
「それは良かったです。僕も行った事の無い所もあったので、上手く案内出来たか不安で……」
「大丈夫ですよ。ちゃんと楽しめました」

彼女のその綺麗な笑顔が素敵で、暖かくて…………愛おしかった。
互いの腕はいつの間にか組んだまま。今思い出してみれば他の場所でも腕を組んだり、手を繋いだままだったかもしれない。

(素直じゃないな、僕は……)

本当は自分の気持ちに気付いていた。なのにその事を考えようとはしていなかった。それは自分が現実とゲームを区別し、光也とセインを別人としていたから。
VRゲームが普及し、現実世界と仮想世界の差は2D時代に比べ格段に無くなった。人々はそれに気がつき差別化しようとしつつ、仮想世界もまた現実であるという事を受け入れなければならない。ゲーム内で出会い、会話する相手は間違いなく何処かに存在する人間であるし、そこで交わされる言葉や感情は現実のものと何ら変わりはない。

人々はVRゲームをプレイするのは他の誰でもなく自分の事であり、対峙しているのは紛れもなく同じ人間であることを認識しなければならない。



故に、そこに恋慕が生じればそれは間違いなく自分の相手を想う気持ち。ゲームを構成するコードでは無く、自らの魂から生じた自分の正直な気持ち。
相手が手の届く所、触れ合う事が出来る身近な所に居る。魂が求めている、堪らなく愛おしい人が隣にーーー


「シウネーさん」
「はい、何でしょうか?」
「まだお時間は大丈夫ですか?あと一つ、行ってみたい所があるんですが」
「もちろん大丈夫ですよ。どちらへ?」
「世界樹中腹にある展望エリアです。ここから直接翔んで行けますよ」
「分かりました。……じゃあ、下は向かない方が良いですね」
「はは。お願いします」


















世界樹の中腹には幾つか独立した展望台があるが、一つにつき3、
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