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赤城と烈風
冬の戦争
フォッケ・ウルフfw187
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事も検討されましたが。
 水面下で解決策を図る彼等の前に、情報を聴き付けた或る人々が志願します。



 史実では切札のフォッカーD21を装備した第24戦闘機隊、フィンランド空軍最強の戦闘集団へ配属された5人。
 ウルリッヒ、ラスムッセン、フリジス、それに2人のクリステンセン。

 彼等はデンマーク王立空軍所属の優秀な空の戦士ですが、自国の戦闘機を持ち出す事が出来ませんでした。
 フィンランド空軍のフォッカーD21は36機のみ、貴重な主力戦闘機を使えるとは限りません。

 性能の劣る複座戦闘機を割り当てられ、実力を発揮出来ずに戦死する危険も多分にありましたが。
 デンマーク空軍と親交を持つドイツ空軍の将校が奔走、デンマークの戦士達にfw187を預ける事となりました。


 北欧スカンジナヴィア半島には東岸スウェーデン、西岸ノルウェーの2国が存在します。
 バルト海の出口を扼するデンマーク王国は、ノルウェーと長い歴史を共有する兄弟国でした。

 ソ連に占領されたバルト三国に続く北方フィンランドの危機は、対岸の火事では済まされません。
 フィンランド北部と国境を接する兄弟国、ノルウェーもソ連に占領されるのではないかと危惧されました。

 5人はクルト・タンク技師を始めフォッケ・ウルフ社の技術者達と議論を重ね、駆逐機(スカイスイーパー)の設計思想に納得。
 見慣れぬ双発単座戦闘機を乗りこなすべく、実戦さながらの訓練を積み重ねました。


 熟練パイロット達の腕と技術に拠り、双発単座戦闘機の性能を引き出す条件が整います。
 フィンランド空軍戦闘機隊は、強大なソ連空軍相手に1対10の劣勢を強いられ苦闘を続けています。

 手遅れとなる前に助太刀を間に合わせるべく、関係者全員が尽力し準備が迅速に整えられましたが。
 伯爵の依頼したハンシン・ユッカ号は、前例が無い為か改造の進捗が遅れています。

 フィンランド上空の戦闘には一刻の猶予も無いと思われ、カルル・グスタフ・フォン・ローゼン伯爵は決断。
 護衛戦闘機として調達したfw187の慣熟訓練を積み、機体特性を体得したデンマークの戦士達に語り掛けました。



「フィンランド救援は愁眉の急であり、遅延は許されない。
 私はハンシン・ユッカ号の改造が完成し次第、単機爆撃を行う。

 フォッケ・ウルフfw187≪ファルケ≫3機は、ハンシン・ユッカ号の改造を待たず直ちに出発。
 デンマークの勇敢なる戦士諸君は私を待たず、フィンランド到着後は独自に行動して欲しい。

 我が父の援けたフィンランド空軍と共に出撃し、ソ連空軍相手に実力を発揮してくれん事を願う。
 以上」


 スウェーデンの伯爵とデンマークの戦士達は、互いに幸運を祈り心の篭った
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