波及効果と戦史研究
水中高速潜水艦
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艦底起爆装置が考案され、大英帝国海軍や合州国海軍も試作品を実験。
日本海軍も実用化を図り試行錯誤の末、或る発想の試作品を製作。
線輪《コイル》の電線を巻く鉄芯の後端に、空気室の前端となる蓋を密着させ性能を試験。
発射された魚雷が艦底を通過する瞬間、磁気に感応して誘導電流が発生し起爆装置が作動。
魚雷は間髪入れずに炸裂、標的の廃棄艦は艦底を破られ姿を消しました。
再現性が実証され電気魚雷に装備を決定、潜水艦用の酸素魚雷にも原理を応用可能と判断。
95式酸素魚雷用の実用品も開発され、艦底起爆装置を組み込んだ実用見本を譲渡。
帝政ドイツ海軍の戦訓に学んだ潜水艦本部は、先駆者に返礼として各種情報を提供。
水中高速型潜水艦の第71号艦、試作のA標的は新生ドイツ海軍に絶大な衝撃をもたらしました。
1934年に建造された甲標的の試作潜水艇、1軸電気推進のA標的は水中速力24ノットを発揮。
1937年12月にはA標的の経験を活用し第71号艦、水中高速実験潜水艦を起工。
A標的用に開発の大容量特B型蓄電池672個を搭載、主機は国産300馬力ディーゼル1基。
水中高速性能を追求する為、魚雷と同じ1軸の2重反転プロペラ推進を採用しています。
魚雷発射菅1門を艦首中心線の下部、2門を艦首浮力タンク上部の艦外に装備。
3門とも艦内から魚雷の装填は不可能、予備魚雷は皆無で帰港後に基地で装填。
1938年8月29日に進水の第71号艦は竣工後、日本潜水艦史上初の水中速力21.3ノットを記録。
単殻構造の艦体は艦首に浮力タンクを配置、水上の安定性や航洋性は不足し水上速力13ノット。
艦籍の無い極秘実験艦は1941年夏以降も各種実験に従事、貴重なデータを提供していますが。
第71号艦を参考に目標は水中速力19ノット、流線型の新型艦は多量の電池を搭載。
水上砲撃戦は実施しない方針で艦砲を削り、対空用60口径25ミリ機銃のみ装備。
従来の可潜艦を凌ぎ本格的な海中機動能力を発揮、伊201型水中高速潜水艦が試作されました。
特殊潜航艇『咬龍』も航続力を延長、運動性を向上させ水中高速潜水艦の波201型へ進化。
魚雷4本を搭載し発射菅2門は艦首に配置、全溶接構造の量産対応型を設計期間3ヶ月で製図。
水中運動性能を重視し船体中央部、艦橋直下付近の左右に潜舵を配置。
第71号艦と同様に推進器の前方で十字形の縦舵、横舵が軽快な操縦性を発揮する筈です。
海中を機動する高速魚雷艇は急速潜航時間15秒、対空用に単装機銃1挺のみ装備。
ドイツ仮装巡洋艦へ搭載の予定ですが、離島防御にも有効と期待されています。
新艦政本部は実験艦の経験を盛り込み、実戦配備が前提の
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