暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
[9/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
余した吸血鬼にはちょうどいい遊び相手だ。その前に第四真祖がナラクヴェーラと戦うというのなら、その見物もまた一興。どう転んでもやつの退屈はまぎれるよいうわけだな」
「そんな……」
ガルドシュは、絃神島への攻撃をしないことを条件にナラクヴェーラの制御コマンドの解析を要求してきた。
ナラクヴェーラが動いてしまっている以上それに従うしかない。
「どのみち私には選択肢はないってわけね。いいわ。だけどこの貸しは高くつくわよ」
ガルドシュは部下を引き連れて部屋から出て行く。
浅葱が部屋の奥にある扉を乱暴に蹴り開けた。
冷蔵室の中には、魚や肉などではなく、ラックマウント式のHPCサーバー……いわゆるスーパーコンピューターである。回路を冷却するためにキンキンに冷やされた部屋の中へと、浅葱が入ろうとすると思いがけない方向から声がした。
「──焦るな、娘」
眠っていた凪沙の口から流れ出したのは、いつもの声とは違うようだった。
短く結い上げた凪沙の髪が解け、腰近くまで流れ落ちている。
「心を乱すな。おまえとその
機械
(
ガラクタ
)
の性能なら、滅び去った文明ごときの書きつけを読み解くのに、さして時はかかるまいよ」
「凪沙……ちゃん?」
普段とは別人のような気配に戸惑う浅葱。
雪菜は驚愕の表情で首を振る。
「いえ、違います……この状態は、神憑りか……憑依……?」
「ふふ、そうか。おまえも巫女だったな。獅子王の剣巫よ」
凪沙はそう言って愉快そうに笑った。
「ならばおまえにもわかっていよう。心配せずとも、あの坊やたちが時を稼いでくれる。そこの娘の策が練り上がるまでの時はな」
「あなたは……いったい……!?」
雪菜が鋭く目を細めて訊き返す。しかし凪沙はなにも答えない。無言で静かに瞼を閉じて、その場に崩れ落ちる。
床に激突する寸前に雪菜が抱き留めた。
「今のは、なに? 誰なの?」
浅葱の質問に、雪菜は黙って首を振る。
雪菜もなにが起きたのかはわからなかった。
「藍羽先輩。携帯電話を貸していただけますか?」
「あれがナラクヴェーラの“火を噴く槍”。まあまあ、いい感じの威力じゃないか」
楽しげなヴァトラーを睨みつけ、苛立つ彩斗と古城。
「ああくそ。なんであんたがここにいるんだ。自慢の船はどうした!?」
「ああ。実は“オシアナス・グレイヴ”を乗っ取られてしまってねェ」
ヴァトラーの飄々とした口調でいう。
「乗っ取られた!?」
「そうそう。そんなわけで、命からがら逃げてきたんだよ」
「それにしてはずいぶん冷静じゃねぇか、ヴァトラー」
殺意にも似た視線を向ける彩斗にヴァトラーは薄く笑
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ