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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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が、吸血鬼の筋力を持ってすれば簡単なことだ。
増設人工島
(
サブフロート
)
へと着地する。
「な、な、な……なんてことをしてくれるのよ!?」
突然、紗矢華暴れ出した。
その反動で後ろにバランスを崩し危うく落下するとこだった。
「ノーカウント! こんなのノーカウントだからね!?」
紗矢華はそう言いながら彩斗の頭を殴る。
あとから来た古城と顔を見合わせて彩斗は自分がなぜ殴られたのか考える。
「……なにをやってるんだ、おまえたちは」
彩斗たちに前に、いきなりこの場には似つかわしくない格好の少女が現れる。
高価な日傘に、装飾過多の黒いドレス──この島でこんな格好をしている人物を一人しか知らない。
「那月ちゃん? テロリストの相手をしてたんじゃなかったのか?」
「たまには
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の連中にも花を持たせてやらなければな。突入部隊が黒死皇派の生き残りどもを圧倒しているみたいだし、私の出番はないだろう」
銃撃戦の続く監視塔を眺めて、南宮那月が答えてくる。
「それで、私のことを那月ちゃんと呼ぶのはこの口か?」
「痛て痛て痛て、やめて……」
無抵抗な古城の頬を、那月がぐりぐりと捩じあげる。
突然だった。
ゴオオオオオォォォン───
爆撃にも似た轟音が、その場にいた人の耳をつんざいた。
中空の
増設人工島
(
サブフロート
)
がその爆音で激しく揺れる。
爆音は黒死皇派が立てこもっていたはずの監視塔からだった。
「なんだ、あの爆発!? あれも
特区警備隊
(
アイランド・ガード
)
の攻撃か?」
炎に包まれた監視塔は崩壊している。
「いや……自爆、か?」
「自爆って……」
「なに……この気配……!?」
彼女が見ていたのは、倒壊した監視塔の基底部だった。そこから大量の瓦礫を押しのけて、巨大ななにかが動きだそうとしていた。
地底から噴き出した巨大な魔力。
「ふゥん、よくわからないけどサ、まずいんじゃないのかなァ。これは」
異変に圧倒される古城たちの背後で、皮肉っぽく笑う声がした。
振り返った古城と彩斗が見たのは、これまた戦場には似つかわしくない純白の三揃えを着た金髪の美青年。
「ヴァトラー!? なんでおまえまで!?」
「どうしてあなたがここに!?」
ニヤニヤと笑うディミトリエ・ヴァトラーを振り返って、古城と紗矢華が同時にうめいた。
那月も不機嫌そうに眉を寄せる。
「なんの用だ、蛇遣い?」
「まあまあ。積もる話はあとにして、その前にきみたちの部隊を撤退させたほうがいいんじゃないかなァ。どうせ、ここにガルドシュはいないしね。残っている連中は、ただ
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