暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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って全体のほんの一部なんじゃないの?」

「そのとおりだ。ナラクヴェーラとともに出土した石板は、全部で五十四枚。これはその中のたった一枚にすぎない。だが、ここに書かれていた内容は覚えているかね?」

「まさか……あんたたち……」

 ガルドシュの言葉に浅葱は顔色を変える。
 戦王領域のテロリストは、愉快そうに、そう冷酷に笑っていた。

「そうだ。この石板の銘は『はじまりの言葉』──ナラクヴェーラの起動コマンドだ」




 絃神島を構成しているのは東西南北、四基の超大型浮体式構造物(ギガフロート)だが、実は島の周囲には、そのほかにも細々とした拡張ユニットが多く存在している。
 絃神島十三号増設人工島(サブフロート)は、建設中のそんなゴミ埋め立て施設のひとつだった。
 アスタルテの治療を終えた彩斗、古城、紗矢華は増設人工島(サブフロート)に訪れていた。
 増設人工島(サブフロート)へと通ずる通路は、封鎖されており侵入ができない。
 増設人工島(サブフロート)内部は、もはや戦争のように激しい状況となっている。

「で、どうやって侵入する気だ、古城?」

「どうするかな?」

「はあっ? あなた吸血鬼の真祖でしょ?」

 ノープランだった古城を非難する紗矢華。

「だから俺はついこないだまで、ただの人間だったって言ってんだろうが!」

「眷獣は!? 第四真祖の十二体の眷獣の中に、使えそうな能力を持ってる子はいないの?」

「いやそれが、俺の言うことをまともに聞く眷獣は今のところ一体だけなんだ。あのビリビリもこないだ姫柊の血を吸って、ようやく俺のことを宿主と認めたばっかで」

「なにぃ……」

 紗矢華が剣を握りしめた左手に力を入れる。

「そういえば、あなたも眷獣持ってたわよね!?」

 思い出したように今度は、彩斗に期待の視線を向ける。

「まぁ、侵入くらいなら簡単に出来るが多分、すぐに標的にされて蜂の巣になってもいいなら出すが」

 紗矢華は、困ったように言葉を失う。

「とりあえず、向こうの増設人工島(サブフロート)に渡れればいいんだろ?」

「……なにする気?」

 少し準備運動のような動作をする彩斗を紗矢華は不審そうに見つめる。

「古城は、自分で来いよ」

 そういって準備運動を終えた彩斗はゆっくりと紗矢華に近づく。

「悪いな、ちょっと動くな」

「え、ちょっと……ひゃっ!?」

 お姫様抱っこで抱き上げられた紗矢華が、驚愕のあまり全身を硬直させる。
 彩斗は自らの唇を噛み切り、自らの血を喉へと流し込まれていく。吸血鬼の筋力が解放される。
 絃神島本体から増設人工島(サブフロート)の距離は約八メートルはある
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