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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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を着た護衛が二人。
「少なくとも我々が雇った技術者たちの中に、きみの名前を知らない者はいなかったよ。さすがに彼らも、“電子の女帝”の正体が、こんな可愛らしいお嬢さんだとは思ってなかっただろうがね」
「それであたしに何かようなわけ?」
浅葱は冷静に返すが、少しその表情からは恐怖の色が見える。
ふっ、と満足そうに口元を緩めて、ガルドシュが部下に目配せする。
部下の男が浅葱の前に差し出したのは、リングファイルに綴じられた分厚い資料の束だった。
「これがなにかわかるかね?」
「──“スーヴェレーン\”!? こんなものどこで手に入れたの?」
驚愕の声を洩らした浅葱だった。
「我々の理念に賛同してくれた篤志家がいてね。アウンストラシア軍に納入予定のものを横流ししてもらった。絃神島の管理公社できみが使っているスーパーコンピューターの同型機の、最新機種だそうだな」
「こいつで、ナラクヴェーラとかって古代兵器の制御コマンドを解析しろ、ってことかしら」
何気ない口調で浅葱が呟く。
「我々は、きみに対する評価をもう何段階か引き上げる必要がありそうだな。素晴らしい」
「昨日、つまんないパズルをうちに送りつけてきたのは、やっぱりあんたたちだったわけね」
不愉快そうな顔をしかめて、浅葱が訊いた。
「我々はこれまで百五十人を超えるハッカーに同じ内容のメールを送ったが、きみのいうところの『つまらないパズル』を解読できたのはわずか八人。その中で一切の矛盾のない正解を導き出せたのはきみだけだ。しかも三時間足らずという圧倒的な短時間でね」
「あたしにもいろいろあったのよ。現実逃避したい理由とか」
拗ねたように浅葱はなぜか横目で雪菜を見た。
「我々の目的は、あの忌まわしき聖域条約の即時破棄と、我ら魔族の裏切り者である第一真祖の抹殺だ。その悲願を成就するために、ナラクヴェーラの力が必要なのだ」
「そんなことを聞かされて、協力できるわけないでしょうが。そんな計画が実現したら、最悪、世界中巻きこんだ全面戦争よ!」
マニュアルを叩きつけた、浅葱が叫ぶ。ガルドシュは対照的に笑う。
「それこそが我々の望む世界の姿なのだがね──たしかにきみたちの価値観とは相容れまいな。だがそれでも……いや、だからこそこ、きみは我々に協力してくれると信じてるよ」
「は? なに言ってんのよ、そんなわけ──」
「これがなにかわかるかね?」
そう言ってガルドシュは、部下の手から薄いタブレットPCを受け取った。
そこには奇妙な長い文字列。呪文のようだが、雪菜が知る限りで当てはまる術式が見つからない。
「あたしが解読した例の暗号文……古代兵器の制御コマンドね。だけどそれ
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