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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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雪菜たちは、窓が塞がれた狭い部屋にいた。
どこかの倉庫のなのだろう。
目隠ししたまま連れてこられたせいで、周囲の状況はわからない。
「ねえ……ここってどこだと思う?」
浅葱がぽつりと訊いてくる。
「わかりません。ヘリコプターが飛んでいた時間は十分くらいでしたから、それほど遠くまで連れてこられたわけではないと思いますけど……」
そんな雪菜の反応を見て、浅葱は怪訝そうに目を細めた。
「随分冷静ね。恐くないの?」
「え? あ、いえ……そんなことはないんですけど、あ、藍羽先輩も落ち着いてますよね」
そうかな、と照れたように呟いて、浅葱は眠っている凪沙の横顔を見た。
凪沙は今だ意識をなくしている。
あの時の魔族を見た凪沙の反応は明らか普通の恐怖とは違っていた。
「──凪沙ちゃんのアレを見ちゃうとね。自分がしっかりしなきゃって感じになっちゃうよね」
そんな雪菜の疑念に気づいたように、浅葱が苦笑して言った。
「これは、ここだけの話にしといて欲しいんだけどさ」
唇の前に人差し指を立てながら、浅葱はかすかに視線を伏せる。
「凪沙ちゃんは、一度死にかけたことがあるのよ」
「え?」
「四年前にね、魔族がらみの列車事故に巻き込まれてさ。どうにか命は取り留めたけど、一生意識が戻らないかもいれないって言われてたそうよ」
そう言って浅葱は小さく首を振る。雪菜は唖然として唇を震わせる。
「凪沙ちゃんが、魔族を恐がるのは、もしかしてそれが原因ですか?」
「そんなこと本人には聞いてないけどさ、そうだとしても無理はないよね」
雪菜は古城が必死で自分が望まずして吸血鬼の力を隠し続けている理由がわかった気がした。
「あと、ごめん。あたしのせいで巻き込んじゃって」
黙り込んだ雪菜に気を遣うように、浅葱はいつもの軽い口調で言った。
雪菜は罪悪感を覚えながら首を振る。
「藍羽先輩は、どうして自分がさらわれたのかご存知ですか?」
「ううん、全然」
両手を広げて、ため息をつく。
「でもまあ、心当たりがないわけじゃないのよね。連中、あたしに仕事をやらせようとしてるみたいだしさ」
「お仕事、ですか?」
雪菜がきょとんと首を傾げ訊き返す。
「学校には内緒だけどね。あたし、バイトでフリーのプリグラマーみたいなことをやってるから。たまにあるんだわ、非合法なハッキングの依頼みたいなのが。さすがにここまで強引なお誘いは初めてだけどさ」
「──どうやら、きみは自分が有名人という自覚が足りないようだな、ミス・アイバ」
突然、扉を開けて部屋に入ってきたガルドシュが言った。
ガルドシュの背後には、都市迷彩の軍服
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