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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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なっ!?」
ヴァトラーが解き放った膨大な魔力に二人の吸血鬼は言葉を失う。
青年貴族の背後に出現したのは、全長数十メートルにも達する二匹の蛇。荒ぶる海のような黒蛇と、凍りついた水面のような青い蛇。蛇遣いの異名のヴァトラーの眷獣。それも二体同時。その二体は、空中で絡み合い、一体の巨大な龍へと姿を変える。
「二体の眷獣を合体させた!? これがヴァトラーの特殊能力か──!」
荒れ狂う竜巻のような眷獣の姿に、古城が硬い声を洩らす。
これが雪菜が言っていたヴァトラーの特別な力の一つなのだろうか。
二体の眷獣を合成して、より強大な眷獣へと変える。こんな能力など聞いたことがない。
この力がヴァトラーを限りなく真祖に近い存在だと裏付ける証明である。
「まあこんなものかな」
ヴァトラーは、その眷獣で十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
と、絃神島を連結させるアンカーを、全て破壊した。
「
増設人工島
(
サブフロート
)
を、絃神島本体から切り離したのか……!?」
「これで市街地への被害を気にせず、思うさま力を使えるだろう。せいぜいボクを愉しませてくれたまえ」
「あ、ああ……」
この男がそんなこと考えるわけがない。ただ自分が楽しみたいだけだ。
「ナラクヴェーラが動き出したわ、暁古城」
騒ぎ出した紗矢華に振り返る。
周囲の瓦礫や鉄骨を蹴散らして、ナラクヴェーラ本体が姿を現す。
高さおよそ七、八メートルほどの六本脚の戦車。全体的な印象としては、エビのような甲殻に覆われた巨大アリ。楕円形の胴体に、半球型の頭部が埋もれるような形でくっついており、その先端に触覚のような副腕が二本生えている。
「動き出しやがったか」
彩斗は古城へと拳を突き出す。
「死ぬんじゃねぇぞ、古城!」
「お前こそな、彩斗!」
古城はその拳に自らの拳をぶつける。
互いに不死身の吸血鬼で有りながら死ぬなと言い合う意味など普通に考えれば不明な行動だな。
彩斗は、古城を信じて雪菜たちがいる“オシアナス・グレイヴ”へと駆けた。
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