暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
08.古代兵器覚醒
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深くお辞儀をする雪菜。予想外の行動に彩斗は少し身構えてしまった。
だが、そのあとの言葉に彩斗は自分の考えにひどく後悔する。
「ありがとうございました」
「い、いや、俺はなにもしてないし、止めてくれたのは結局、姫柊だったからな」
ホッとしたような笑顔で彩斗を見る雪菜に心から後悔する。
「雪菜ちゃん! なんかすごい勢いで飛び出していったけど大丈夫?」
忙しない足音が後方の階段から聞こえていた。中等部の制服を着た女子生徒が顔を出す。耳慣れた凪沙の声だった。凪沙は半壊した屋上に倒れた浅葱、そして反省中の古城たちを、びっくりしたように見回す。
「なにがあったの。わっ、なにこれ。なんで屋上が壊れてるの!? って、浅葱ちゃん!? 怪我してる!? どうしよう!?」
「……二人ともしばらく一緒に反省していてください。わたしと凪沙ちゃんと緒河先輩で、藍羽先輩を保健室に連れて行きますから。“雪霞狼”のこともお願いします」
そう言って、格納状態に折り畳んだ槍を古城に差し出す。
彩斗は、倒れる浅葱を背中におぶって、凪沙と一緒に階段を下っていく。
後方から聞こえる古城と紗矢華の互いを罵り合う抗議に雪菜の冷ややかな声を背にしてその場を後にした。
保健室に養護教諭の姿はなく、出張中の彼女の代わりに、そこにいたのはアスタルテだった。
実のところアスタルテは本来この保健室にいるはずなのだが、その便利さに目をつけた那月が、自分専用メイドに無理やりしたというのが、真実らしい。
彩斗は浅葱を保健室のベッドに運び、雪菜に、あとは任せた、と言って保健室を後にした。彩斗がいたところで出来ることは何もないし、無防備に寝ている女の子の近くにいるというのも気が引けた。
もう一度屋上の古城たちの元へと戻ろうとも考えたがあとは雪菜が始末するであろうからそのまま教室へと向かう。
だが、どこか違和感を感じる。この違和感は依然に感じたことある。以前、殲教師オイスタッハのとき同様の感覚を感じる。
事件の感覚というのだろうか。
それに心の中では、蛇遣いディミトリエ・ヴァトラーがこの島に訪れた真意は、第四真祖に会いに来たわけではない気がしていた。また別の
理由が隠されている気がする。
教室に戻るとやはり騒がしかった。
古城の暴走で被害自体はなかったが耳を抑えているような生徒やそれをかばっている生徒たちばかりだ。
その中からある少年を探す。常にヘッドフォンを付けているクラスメイト、矢瀬基樹だ。
クラスを見渡すがその姿はどこにも見えない。
わずかな違和感が徐々に形になっていくような気がした。
そのときだった。制服のズボンに入っていたスマートフォンを取り出す。液晶画
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