第六章
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。まずはそれを止めるいい機会だったんだ」
「成程」
三神さんのその言葉に静かに頷いた。
「それにね」
「それに?」
「また一つある為の弾みだったんだろうね」
「弾みですか」
「そう、弾みだったんだ」
お茶を置かれてそのうえで法衣の中で腕を組んで述べられた。
「それはね」
「といいますと」
「ほら、僕にいきなり仏とか言われてもね」
「わからないというのですね」
「その時の僕にはわからなかったね」
そういうことだった。その時の三神さんということだった。
「絶対にね。神も仏も信じていなかったから」
「それを信じられるようになる為だったのですか」
「そしてそれだけじゃなかったんだよ」
まだあったのだという。話は深まっていくばかりだった。
「本当にね。それからがはじまりで」
「はじまりですか」
「うん。そうして心を落ち着かせて」
まずはそれからだったというのである。
「そうして。あと三ヶ月を切って」
「ええ」
思えば時間としてはあまりに短い。話を聞いていてもまず助からないとしか思えない。三神さんはそれでよく己の運命を受け入れられたと思った。
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