第五幕その十一
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「それで」
「いいね、だからこそね」
「何度でも来てくれたんですね」
「そうだよ、楽しませてもらってるよ」
「それじゃあこれからも」
「気が向いた時にね」
まさにです、その時にだというのです。
「遊びに行かせてもらうよ」
「是非来て下さいね」
「うん。あと君とね」
「他の子達もですね」
「他の子達はまだかな」
「そうみたいですね」
周りを見回してもいるのは自分達だけです、ナターシャ達はまだいません。それで恵梨香はこう魔法使いに答えました。
「どうやら」
「そうだね。けれど待っていればね」
「他の皆もですね」
「来てくれるよ」
魔法使いは恵梨香に陽気な笑顔で答えました。
「だからそれまで待とう」
「わかりました、それじゃあ」
「さて、君達はエメラルドの都にいるけれど」
「この国のことですね」
「どうかな、オズの国は気に入ってくれたかな」
「はい、とても」
恵梨香もです、魔法使いに明るい笑顔で答えます。
「楽しませてもらっています」
「それは何よりだよ、じゃあね」
「これからもですね」
「うん、楽しんでね」
オズの国そのものをだというのです。
「何でもかんでもね」
「そうさせてもらいます。まさか本当に来ることが出来ると思わなかったですし」
「ボームさんの本は本当のことなんだよ」
「オズの国について書かれていることはですね」
「そうだよ、あの人はとても立派な歴史家だよ」
それがボームさんだというのです。
「この国のことを全部記録してくれるね」
「オズの国になくてはならない方のお一人ですね」
「そうだよ、あの人達がいてくれるから君達もわし等のことを知っているからね」
皆オズの国のことはボームさんの本から勉強しています、勿論この偉大な魔法使いのこともです。
「素晴らしい人だよ」
「そうですね、それで今ボームさんは」
「パーティーに参加するよ」
木挽きの馬がここではじめて恵梨香に口を開いてきました。
「あの人もね」
「そうなんですね」
「あの人にお会い出来ることもね」
「楽しみです」
「さて、では立ったままでもあれだし」
ここで魔法使いは今お部屋にいる一同が立ったままであることに気が付きました。それでこう言うのでした。
「座ってね」
「そうしですね」
「お話の続きをしよう」
「わかりました」
こうお話してでした、一同はまずはテーブルに着きました。そのうえでゆっくりとお話をしようとしたところで。
残る四人も来ました、四人共魔法使いを見て言いました。
「あっ、貴方がですね」
「あのオズの」
「うん、そうだよ」
その通りだとです、魔法使いは四人に顔を向けて彼等にも明るい笑顔で答えました。
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