第五幕その七
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「御飯を丸める時にその中に具を入れます」
「それじゃあその具はどういったものかしら」
「昆布に鰹節、明太子に」
「全部聞いたことのない食べものね」
「日本の食べものですけれど」
「オズの国にも和食はあるわよ」
このことはオズマ達がお話してくれた通りです、オズの国は恵梨香達の世界で言うアメリカの料理に近いので様々なお料理があるのです。
だから和食もあります、しかしだというのです。
「お寿司や天麩羅、すき焼きにおうどんはあるけれど」
「お握りだけはなんですね」
「その中に入れるものもね」
昆布や鰹節といったものもだというのです。
「私は聞いたことがないわ」
「そうですか」
「あと海草だったわよね」
ビーナはさらに言ってきます。
「あんたがお話してた海苔っていうのは」
「昆布もですね」
「オズの国は川や湖は多いけれど海はないわよ」
「あっ、そうでしたね」
恵梨香も言われてこのことを思い出しました、実はオズの国には海はありません。それはどうしてかといいますと。
「周りは全部死の砂漠に囲まれてるから」
「そうよ、だからね」
この国は海ではなく砂漠に囲まれているのです。誰も住むことの出来ないその場所にです。
「海はないから」
「海草もありませんね」
海がないのなら海草がある筈がありません、これは当然のことです。
「そうですね」
「そうよ。だからあんたにとっては残念だけれどね」
「海草はですね」
「諦めてね」
ないのなら仕方がないというのです。
「川草ならあるけれど」
「ううん、川草は」
お握りに使うかどうか、それはでした。
「無理です」
「じゃあ諦めるしかないわね」
「他の具にします」
恵梨香は仕方ないといったお顔でビーナにこう言いました。
「明太子も鰹もないみたいですから」
「他の具でもいいの?」
「お握りは何でも入れられるんです」
「あら、それは有り難いわね」
「ハンバーグでも何でも」
「ハンバーグならあるわよ」
ビーナは恵梨香にすぐに答えてくれました、それはあるとです。
「他にも色々とね」
「お肉もお魚もですね」
「そういうのはあるわよ」
それも豊富にだというのです。
「ちゃんとね」
「それじゃあそういうのを入れます」
「そうしてね」
「はい、あと一つふと思ったことですけれど」
恵梨香はお握りの中に色々と入れることを決めてからです、そのうえでビーナにこのことを尋ねました。
それは何かといいますと。
「お寿司はあるんですよね、オズの国にも」
「オズマもドロシーも大好物よ」
二人共お寿司が大好きだというのです。
「こんな美味しいものを食べられる日本人は幸せだって言ってるわ」
「そうですよね、それじゃあ」
「その日本人のあ
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