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赤城と烈風
★改訂前
北氷洋の艦影(仮)

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 1941年5月25日零時過ぎ、『ヴィクトリアス』搭載ソードフィッシュ9機が『ビスマルク』を襲った。
 昼間砲撃戦の後も駆逐艦、巡洋艦の襲撃に備え通常の砲弾が装填されている。
 航空魚雷1本直撃の衝撃に『ビスマルク』は震えたが、致命傷には程遠い。
 焼霰弾の連続射撃で艦上雷撃機を威嚇、夜間航空雷撃の妨害効果は実証されなかった。
 85気圧摂氏450度タービン、ラ・モント式ボイラー搭載の重巡洋艦2隻は推進機関不調を訴える。
 ドイツ艦隊4隻は戦力分散を避け、東に進む。

 26日21時頃、フェアリー社製ソードフィッシュ雷撃機が再び『ビスマルク』を襲う。
 『アーク・ロイヤル』搭載15機は時間差攻撃、五月雨式の夜襲を選んだ。
 主砲と副砲の装填機構には前日1時以降、焼霰弾が載っている。
 敵艦と昼間に遭遇した時は数回、焼霰弾を撃ち弾着修正作業の間に徹甲弾か榴弾に変えれば良い。
 4人の艦長と砲術長は意見が一致、マルシャル提督も異論は唱えなかった。
 矢継ぎ早に直径380ミリ、203ミリ、150ミリ、3種類の焼霰弾を撃ち捲る。
 数分後に海面を染め暗闇を貫く爆発的閃光、数百個の流星群が舞い操縦士達の動揺を誘う。
 操縦桿を握る掌に影響され雷撃機は直進できず、航空魚雷も悉く敵艦を逸れた。

 28日サン・ナゼール港に『ビスマルク』が着き、ロアール造船所に整備を頼む。
 ブレスト港は重巡洋艦、巡洋戦艦の着いた直後に爆撃を受ける。
 レーダー提督は『コロネル』修理完了後、デンマーク海峡通過を命じていない。
 ソ連領奇襲攻撃バルバロッサ作戦発動に備え、ディーゼル機関の微調整が進む。
 6月12日、ノルウェー沖で英国空軍機が鉄鉱石輸送船数隻と護衛艦を襲う。
 ブリストル・ボーフォート数機が軽巡洋艦を狙い、左舷後部を魚雷が穿った。
 1本命中後『ケルン』は駆逐艦に護られ、スカゲラック海峡を南に渡る。

 7月31日ノルウェー領キルケネス港、翌日フィンランド領ペッツァモ港を英国空母機が襲った。
 低翼単葉シー・ハリケーン艦上戦闘機も現れ、複葉機を護る。
 メッサーシュミットT2型数機の急降下、急上昇に翻弄されたが制空権は渡さない。
 小型貨物船数隻と港湾施設に爆弾投下後、第二次空襲は実施されなかった。
 レーダー提督は第一次大戦時の海上補給線(シーレーン)再開、東部戦線支援の準備と解し複数の艦が動く。
 『プロイセン』『ツェーリンゲン』『ハノーヴァー』には贋物の艦橋、3連装砲2基を載せた。
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