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こんな私(俺)の物語
閑話 双紫異変U
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俺は地に仰向けに伏していた。

「あっはっはっは。フランドールさん強いねえ。死にそうだよ」

「アハハハ!凄い凄い!まだ壊れてない!」

いやいや、壊さないでよ。スペル一個も使ってないのにこの強さ。レーヴァテインとか使われたら死ぬんじゃね?
まあ、俺もスペル一個も使ってないけど。通じそうにない。

「それと、フランでいいよ?呼びにくいでしょ?」

「そうだな。じゃ、フランちゃん。休憩できたし、お手柔らかに頼むよ」

「うん!いくよー!」

無邪気な声と共にばら蒔かれる色とりどりの弾幕。

俺はその弾幕を時には横に転がり、時にはジャンプし、時には雪器ではじき、時には結界ではじく。
完全に防戦一方。さすがEXTRAボス。
ま、俺の目的は脱出なんだがな。
この部屋はそこそこの広さしかない。しかも、見通しが悪い。何てったって暗闇だからな。幸いにも、弾幕は若干光っているからわかる。だから、俺は扉を見つけて脱出することが目的だ。
いやだってさ、フランに勝てるわけがないだろう?今の俺はいいとこ下級妖怪相手に戦えるかどうかなんだからさ。多分、美鈴(めいりん)にも負ける。

「アハハハ!お兄さん逃げるのが上手だね!」

無邪気な言葉の中に何故か淑女のような言葉使いがある。一応お嬢様なわけか。

「でも、そろそろ本気出してよ。じゃないと、壊しちゃうよ?」
『禁忌「レーヴァテイン」』

出たよ。フランの代名詞のようなスペル。炎に包まれた歪な棒のようなもの。
あんなん喰らったら死ぬって。俺は緋想の剣に気質を凝縮する。範囲が狭くなるが、こんだけしないと防げそうにない。

「アハハハ!」

ガキィン!

「・・・重たっ・・・!」

あの小柄な体躯のどこにこんな力があるんだよ!やっぱり吸血『鬼』なんだな!
なんとか受け流す。

「凄いね!これを耐えた人間は初めてだよ!」

あははは。そんな勲章ほしくなかった。

「なら、これはどうかな!?」
『禁忌「クランベリートラップ」』

紫色の固定弾と俺を狙ってくる青い弾。いやはや、鬼畜にも程がありますよ。
ここが室内である時点で緋想の剣の大地を使ったスペルは使えない。あれ?詰んだ?
いやいやいや!考えろ!そうだ!基本に戻れ!

『結界「四重結界」』

一応四重結界ぐらいなら張れるんだよ!

ドドドドドドドドドド!!

量多い量多い!ああもう!自分の非力さに腹が立つ!

「アハハハ!アハハハハハハハ!」

「トリガーハッピーなんですか!?」


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