桐ケ谷家
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動実験を行う。《アクア》、起動!」
そう言って雪羅はアクアのスイッチを入れる、そして立ち上がる。
「おお・・・」
「すごい・・・」
二人はただその姿に感動した。雪羅は屈伸などをして機能性を確かめる。
「おし、間接部に異常なし、バッテリー70%、強度も───」
つま先でコンコンと床を叩く。
「問題なし、さて───」
雪羅は竹刀を片手にだらんと持つ、先は床についている。
「やろうか・・・」
雪羅の目は先ほどの優しい目ではなく、鋭い集中した目になっていた。
「ッ!!」
直葉はビリビリと何かを感じ取った。それは和人も感じ取っており、それはつい二ヶ月前にまで感じていたものだ。
「あの野郎ォ・・・記憶は無くても、感覚が覚えてるじゃねーか・・・」
和人は頬に冷や汗を流す。雪羅が発しているもの、それは《殺気》《威圧感》。
しかし、和人は今まで感じていたものより種類が違った。例えるならSAO時代の彼の殺気は刃物のような殺気、しかし今は内に秘めたものを発しているものである。和人はあの世界にいたから知っている、『この類いのものは最も厄介である』と───。
「では・・・」
和人は手を上げる、そして───。
「はじめ!」
「はぁあああ!!!」
合図と同時に動き出したのは直葉だった。雪羅は最初の位置から動かないどころか、構えを崩さない。
『どうして?構えを崩さない?』
疑問に思いながら直葉は雪羅に接近する。
「てやあああ!!」
直葉は雪羅の面目掛けて竹刀を降り下ろす。しかし───。
「ッ!!」
「いい面だ、只・・・」
雪羅は直葉の竹刀を片手で受け止め、それを手首の動きで弾いた。
「もう少し、力の使い方を学んだほうがいい・・・」
「クッ!はぁあああ!!」
直葉は雪羅に向かって竹刀を振るう、しかし雪羅は直葉の攻撃を竹刀で受け止め、弾いていく。その行動に和人も直葉も疑問を抱く。
『どうして、返してこないの?』
『あれくらいの動きができるなら返してもおかしくない、寧ろもっと速く決着がついてるはず・・・』
しばらく雪羅は弾いていると───、
「不思議か?」
「ッ・・・!」
「返さない剣士というのは“弱い”、“臆病”なイメージがある。確かにそれは間違いではないかもな、だが、それは偏見だ」
雪羅は弾きながら続ける。
「臆病者に臆病者なりの戦い方がある。それに、“もう十分見た”」
「えっ・・・」
雪羅は数歩下がると構えを変えた。
「焔星剣流・・・二の太刀・・・」
「焔・・・星剣流だと!?」
和人はかつて聞いたその流派を思い出す。
雪羅は直葉との詰める
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