壊れた心
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て遊んで、その日を楽しんだ。
大切な時をかみ締めて。
「エミル君がいるならなのはは大丈夫だね」
「ちゃんと、帰ってきなさいよ?」
「分かってる。何があっても必ずなのはは連れて帰るさ」
「エミル君も、だよ?」
「そうだな、しっかり帰ってくるさ」
「大丈夫だよ。私達の居場所はここだから」
そうして、俺達は明日を迎える。
少しだけ何時もと違う一日を過ごして迎える明日。
「エミル、なのはを頼んだぞ」
早朝、父さんと兄さんに道場で別れを告げる。
「言われなくとも」
「恭也、そんなに心配しなくとも大丈夫さ」
「心配はしてないさ。ただ、念のためな」
「少しは弟の心配をしてもいいんじゃないか?」
「俺より強い奴が何言ってんだか」
「っは、そうだな。俺が帰ってくるまでに少しは強くなってな、兄さん」
「上等だ」
「じゃあ、早速特訓するか?恭也」
「おう」
兄さんと父さんとの会話を終え、待たせているなのはのもとに向かう。
「エミルお兄ちゃん、ユーノ君、遅いよ!」
「悪いな、少し会話が弾んだ」
「僕は悪くないのに……」
「もう……」
顔ではむくれているものの何があったのかは大体察しているなのはは走り出す。
それを俺とユーノが追いかけ途中からアルフが加わり、俺達は鳴海臨海公園へと走った。
――鳴海臨海公園AM5:55
なのはがフェイトを呼ぶ。
風が吹きぬける中でフェイトのバルディッシュの声が聞こえる。
電灯の上に立ったフェイトにアルフがもう止め様と説得するもののフェイトはそれに応じようとしない。
一瞬だけアルフを見た時、フェイトは迷っているようにも見えたが……
なのははお互いのジュエルシードをかけてフェイトに勝負を挑む。
本当の自分をはじめるために最初で最後の本気の勝負。
「行って来いなのは!全力前回で勝って来い!」
「うん!いくよ!フェイトちゃん!」
これは二人の勝負。
俺達が手を出すべきではない。
ただ、見守る。
昔からしたら考えられないけどな。
俺も、いつの間にか変わっていたのか……
精霊も、人も変わらない。
確かに、価値観の違いはあるだろう。だが、人と同じく心を持つ。
変わらない心も、あるだろう。
なのはとフェイトの戦いを見上げながら思う。
(頑張りな、なのは)
念話でもなく、ただ思う。
絶対勝つと信じて。
「なのは!」
「手ぇだすなよ?ユーノ」
なのはのピンチに飛び出しそうになるユーノを制止する。
「でも、なのはが!」
「信じろ、あいつは勝つ。絶対にな」
そう言うとユーノは黙って心配そうになのはを見上げた。
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