第10話
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配や運搬などは、ひよ子が一手に引き受けてくれた。
そうしたら今までの経験からだろう、作業は効率よく、スムーズに進んでいるようだった。
そして俺は主に、築城する際の手順や部隊の編成の割り当て、作業効率を上げるための道具の開発など、やることは山積みだった。
細かな指示などは転子が出す使者に書状でやりとりをしている。
本当は連絡用の術式、テレパシーの術式で作った紙があるのでそれを渡せば良いのだが…。
帰蝶「……」
竜司「……」
帰蝶「ねぇ…」
竜司「……」
帰蝶「ねぇったら!」
竜司「うわっ!なんだ帰蝶か…脅かさないでくれ。どうした?」
帰蝶「あなたが気付かないのが悪いんじゃない…それで、さっきから何してんのよ?地図なんかとにらめっこなんかして」
竜司「これか…これはもし敵がきた時にどこに柵を配置すればいいか、どこから敵が来るかを予測して、印をつけてるんだ」
帰蝶「ふぅん…あなた、壬月達以上の力を持ってるのに、まるで軍師みたいなこともするのね…」
竜司「まぁ、出来る限りの危険は回避したいし、俺がやると言ってしまったからな」
帰蝶「……あんたは…」
竜司「ん?」
帰蝶「…いいえ、なんでもないわ」
竜司「変な帰蝶だな」
帰蝶「あんたに言われたくないわよ…」
そう返事をすると、あっという間に黙ってしまった。
一体何を聞きたかったのか。
そんなこんなで、あっという間に二週間が過ぎ、いよいよ作戦決行の日。
俺とひよ子は長良川上流に待機する転子達と合流する。
ひよ子「んーと、木材よし、縄よし、鍬よし、しゃべるよし…」
ひよ子は目録と見比べながら運搬する材料や道具を確認する。
竜司「便利なもんだろ?これで作業効率も上がるはずだ」
ひよ子「はい!こんなのを作っちゃうなんて、お頭って発明家さんですねー♪」
転子「確かに。この鉄鍬としゃべるを使うと、びっくりするくらい早く穴が掘れますね」
ひよ子「ちょっとした空堀くらいなら、すぐにつくれちゃいそうですね!さすがお頭です!」
竜司「元の世界では一般の家でも使っているものだが、今回はなるべく早く城を建てなければならんからな。ついでに言っておくがこの道具は俺達の隊以外は使うなよ。お前たちもこの道具の情報を外部に漏らさないように」
俺の注意に周りは「へい!」「了解でさぁお頭!」などという声が上がる。
竜司「…(なるべく俺が前に出て、敵を引きつけよう。人に使うのは癪だが…今回ばかりは…)」
そう心に決めていると、後ろからひよ子が声を上げる。
ひよ子「お頭ー!資材その他諸々、準備完了でーす!」
転子「人足、足軽達も準備完了で
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