第10話
[11/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
竜司「それもあるな。けどそのうち百に旗を持たせてくれ。初撃を俺が受け止めて様子を見る。そして合図を出すから百の伏兵部隊で墨俣城に向けて突撃。味方を受け入れたらすぐに門を締めてくれ。後は旗を持った部隊が旗を揚げると同時に鬨の声を上げ続ければ…どうなると思う?」
転子「なるほどー。敵は織田の援軍が来たと勘違いして戦意を無くすかも知れませんね。承知しました。そちらもご用意致しましょう」
竜司「後は…久遠がどれだけ時間を稼いでくれるか…だな」
少女「数を揃えて討ち入った割に、尾張衆の動きが鈍いように感じますね…これは…陽動、ですね。…となれば、織田の狙いは…なるほど、墨俣ですか。なかなか上手い手です。ですが…ふむ。私はどうするべきでしょうか…」
少女は少し考え込み、ため息を一つ吐く。
少女「…やめておきましょう。例えこの推測を告げたとて、稲葉山の愚人たちは否定し、あざ笑うだけでしょう。我慢にはもう飽いた。…やはり動くべきですね。はぁ…鷺山殿が愛した美濃も、枝折れ根腐り、見る影もなし…無念です」
作業が着々と進んでいく中、物見に出ていた足軽が俺達のところに駆け込んできた。
足軽「お頭ー!北方に美濃衆の旗を発見しましたぜー!」
竜司「来たか…敵との距離は?」
足軽「ざっと見て、五里向こうってとこでしょうかね」
ちなみに中国では一里は約500m。
そして日本での一里は約4km。
なのでこの場合、約18、9キロということになる。
竜司「へぇ…案外近いな。よし、俺は前に出る。ひよ、ころ!」
ひよ子、転子「「はーい!」」
竜司「これから敵を迎え撃つ。ころは先程言った伏兵と偽兵の準備を。合図は…」
そう言うと、竜司はベルベルクを出現させ、二人の前に見せる。
竜司「この銃を上に向けて撃つから、それが合図だということを伝えてくれ」
転子「うわっ!どこから出したんですか!?」
竜司「説明は後で頼む。時間がない。後は俺のうちこぼした敵を足軽率いて迎え撃て」
転子「了解しました!」
竜司「大丈夫か?ひよ」
見ると、ひよ子はこれから戦闘になることに怯え、体を身震いしていた。
今までは久遠の付き人だったので人を殺したことがないのだろう。
だが、これからは慣れて貰わなければならない。
ひよ子「あ、あの私…腕っ節は全然自信がないですぅ…」
竜司「そうだな。最初はみんなそうだし、人が死んでいくのを見るのは怖い。俺だってそうだ。ころも久遠もみんなもそう。だけどな、全ては無事に明日を迎えるため…この国の民が笑って暮らせる世を作るためでもある。だから…前に出て敵を殺せとは言わない。陣で怯
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ