第九話 緊急学徒動員策
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ります。大丈夫、みなさんが前線に出ることはありません。安心してください。」
教室は少しほっとしたような空気に包まれた。
横にいるハナも少し緊張が解けたような感じ。
少し教室がざわついてきただろうか。
きっと不安だったものが少し解け、お互いに話す余裕が出来たのだろう。
生徒同士話している声が聞こえる。
“俺なら前に出ても大丈夫だぜー”
“後方なら安全だよね”
“ここで活躍して一気に火影だ!”
“やる気てできたー”
そんな言葉が聞こえる。
「さぁさぁ、静かに!これから任務を共にするチームを発表します。スリーマンセルで組み、隊長に中忍、上忍のどちらかが付きます。チーム分けはこちらで決めました。名前を呼びますのでチームを確認し、その後隊長と打ち合わせをして今後の予定を決めてください。」
生徒たちはいつの間にか、遠足にでも行く気分になっているような感じだ。
ワイワイと叫び、自分が活躍するような未来を話し、期待を抱いている。
高揚し、騒ぎ、浮かれている。
僕はそんな光景を外から見ているような感覚だった。
まるで、劇場で喜劇を観ている観客のように。
大きな赤いカーテンが目立つ舞台、その舞台で躍り狂ったように走り回る役者。アハハと高い声で鳴き、ケラケラと笑い、うそのような自分の武勇伝を大声で話す。
そんな感じだ・・・
後方支援なら大丈夫だと、誰が決めたんだろう。
前線に出ないから大丈夫だと。
戦争に絶対はない。
戦況によっては前線が後方に、後方が前線になることもある。
戦争に出るからには“死”を覚悟しないといけない。
自分の“死”
仲間の“死”
敵の“死”
自分だって偉そうに言ってるけど、戦場に出たことなんてない。
でも、大切な人を無くす気持ちは知っている。
心にポカンと大きな穴が空いたように何も考えられなくなる。
その大きな穴には、虚しい気持ち、悲しい気持ち、嘆くような気持ち、そんな苦しくて重いものしか残らない。
そんな気持ちは二度としたくない。
不安が僕を押し潰しそうだった。
ぎゅっ、ぎゅぎゅって。
同日 木の葉隠れの里 役所 執務室
三代目火影
猿飛ヒルゼン
執務室は暗く、重い空気が漂っていた。
まるで戦場のように負の気持ちが場を占めており、鋭い緊張が張りつめている。
「ヒルゼン、まだ迷っているのか?もう決まったことだ。」
しゃがれた低い声が響く。
声の主は、黒い大きな着物を羽織っており、右手は着物の中なのか隠している。それと同じく右目は包帯で覆っており、ま
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