一章 「おかえり、弟」
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し、何よりあの彼女がいる校舎へ行くのは何故か気が引ける。
俺は彼女の栗色の瞳をふと思い出し、背筋に悪寒が走ったのを感じ取った。
「……」
幼い手にはフィットしなかった業務用のゴツゴツしたカッターは、今では十三年間も愛用している愛具である。前とは違い、今では大分使うのに慣れて来た。
俺は、ズボンのポケットに手を入れる。そして、隼介に視線を向けた。
大丈夫、何があっても隼介だけは俺の傍に居てくれる筈。
「ん? 何ボサッとしてんだよ! さっさと走んねーとさっきの奴が、追ってくんだろ! 」
「ご、ごめんってごめん! 」
頭を勢いよく叩かれ、我に返る。
大丈夫――――きっと今日も、すぐ終わる。
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