再戦
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うに一夏は雪片を振りぬく。
振るわれた雪片をブリッジをするように避けた響は逆立ちの要領で立ち上がると、もう一度一夏と真正面で対峙する。
しかし、おもむろに右肩を回すと大きく溜息をついた。
「なんか飽きてきたな」
「何……?」
「だってお前弱いじゃん。二日で変わるとは思ってねぇけどよぉ、せめて精神面は成長しようぜ? アレぐらいの煽りでキレてんじゃねーよ」
肩を竦ませながらいう響に対し、一夏は若干驚いたような顔をする。
「もしかして、俺を試したのか?」
「ああ、試したよ。楯無に言われてたからな。『もし今日一夏くんが響ちゃんに試合を申し込んでくることがあったら、煽りまくっていいからー』ってな。思った以上にお前がドつぼに嵌ってくれたもんで思わず笑っちまったよ」
響は言うと通信画面を開き、楯無を呼びつけた。
「さっさと出て来いよ楯無。どうせ用なんかないんだろ?」
通信画面に向かって響が言うと、響側のピットから楯無がISを装備した状態で降り立ってきた。
「ったく、妙なこと仕込んでんじゃねぇよ」
「いやー。でも多少は一夏くんもこういうのに慣れておいた方がいいかなーって思ってさ。そういうのに結構直情型みたいだし」
楯無と響のやり取りに一夏は二人の顔を見合わせている。すると、一夏の肩に手を置きながら彼に対し冷酷な声で告げた。
「でもな、本当にお前は弱いよ。今のままじゃ誰も守れないし誰も救えない。このままじゃ、いらねぇ正義感を振りかざしていつかお前か、箒や鈴に怪我をさせるか……。最悪死なせることになる。そこんとこよく覚えとけ」
響はそれだけ告げると夜天月で飛び上がり、ピットへと戻っていった。
「さてっと、じゃあおねーさんとの修行でもしようか」
楯無に言われると、一夏は頷き雪片を構えた。
楯無との修行を終えた一夏は思い切って楯無に聞いた。
「あの、先輩は響のことをどう思ってるんですか?」
「どう思ってるって? それは人としてかな? それとも、強さって意味かな?」
「両方……です」
少々詰まりながら言う一夏に楯無はクスッと笑うと、笑顔のまま彼に言った。
「そうねぇ、人としては結構キツくあたる場面はあるけれど……。本質的には困ってる子を放っておけないとってもいい子だと思うわ。まぁ強さ的に見るとこのIS学園では私に匹敵するくらいだと思ってるわ。せっかく修行してる一夏くんには悪いけれど……貴方じゃあの子に勝つことは出来ないと思う」
勝てない、という言葉を聴いた一夏は顔を曇らせ俯いた。
「俺、言われたんです。いらない正義感でいつか箒達を傷つけるって」
「ふーん。まぁ響ちゃんなりに鼓舞し
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