再戦
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確認した響は口をニィっと吊り上げると、夜天月のスラスターをふかす。
……来る!!
スラスター特有の金属がこすれあう様なキーンとした音を確認した一夏は身を強張らせた。
「んじゃあ……こっちから行くとするかね」
腰を低くし獲物を狙う猫のような態勢を取った響は、驚異的なスピードで一夏に肉薄する。そしてそのまま夜天月の武装である断爪が収納されている左腕で、一夏の腹部を抉るように拳を放つ。
が、
一夏は間一髪でそれを避けることに成功した。いや、避けたと言っても確実に避けきったわけではない。その証拠にエネルギーが消耗している。
「へぇ……よく避けたじゃねぇの。楯無との修行の成果ってわけか?」
態勢を元に戻しながら一夏に投げかける響だが、一夏は肩で息をしており、質問に答えるどころではなかった。
……危なかった……。今のはスラスターの音が聞こえて来るってことが予測できたからよかったけど、もし、スラスターの音がなしでアレをやられたら、次は確実に喰らう。
雪片を中段に構えながら響のほうを見据える一夏の額には汗が滲んでいた。
すると、一夏は呼吸を整え響に問いを投げかけた。
「どうして……」
「あ?」
「どうして今追撃をしなかったんだ……? お前なら簡単に出来ただろ」
「あぁ、そういうことか……。そうだなぁ……まぁ言っちまえば簡単なことだ」
響は一夏を嘲笑うかのような表情を浮かべると、彼に言い放った。
「お前ぐらいならいつでも叩き潰せるから、かな」
その発言に一夏は一瞬固まった。しかし、すぐに言われたことを理解したのか、歯を食いしばり響をにらみつけた。
響は笑みを絶やさず一夏を見据える。
「どうした? キレちまったか? そうだよなぁ、女にここまでコケにされちゃあ男のプライドが黙ってねぇよなぁ」
くつくつと笑う響は心底楽しそうだった。だが、それを見る一夏は怒りを募らせていく。それでも響はお構いなしに一夏を煽る。
「ホレ、さっさとかかって来いよ。どうせすぐに終いにできんだしよ」
右手で一夏を誘うような素振りを見せた瞬間、ついに一夏の堪忍袋の尾が切れたのか彼は瞬時加速を使い、響に肉薄した。
「響ィ!!!!」
名を叫びながら彼は今度は下段から雪片を振り上げる。
響はそれをさらりと避けると、自らも瞬時加速を使い一夏の背後にまわり彼の首筋目掛け重い裏拳を放つ。ISのエネルギーシールドで防がれていると言っても、かなりの衝撃だったようで一夏は前にのけぞった。
「オラオラどうしたぁ? ムカついてんだろ? 私と倒してぇんだろ? だったらそんぐらいでのけぞってんじゃねぇよ」
挑発するように言う響に答えるよ
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