再戦
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響と一夏が勝負してから二日。
一夏は楯無の指導のもと、ISの技能訓練にはげんでいる。一方、一夏を簡単に打ちのめした響はというと、屋上でセシリアとシャルロット、ラウラと共に昼食を食べていた。
「そういやセシリア。料理の方は成長したか?」
響が何の気なしに聞くと、セシリアは小さく笑うと背後から少々大きめのバスケットを取り出した。
「もちろんですわ! 夏休み中に渉さんに教えてもらったレシピを元にもう一度サンドイッチを作ってみましたの」
「ふーん、そういえば渉に何か聞いてたな、アレはそういうことだったわけか……」
夏休み中に渉とセシリアがなにやら話しているのを思い出した響は頷いた。
セシリアはバスケットのふたを開ける。三人もそれを思わず覗き込む。すると、シャルロットが感嘆の声を上げた。
「凄いよセシリア! とってもおいしそうだよ」
「そ、そうでしょうか。ありがとうございます、シャルロットさん。ではお一つ――――」
「待て」
シャルロットにサンドイッチを一つすすめたセシリアの声を響がそこで遮る。それにシャルロットが少々怪訝な表情をするものの、セシリアはその意図を理解したのか緊張した面持ちで背筋を伸ばす。
「まずは私が毒見をする」
「ど、毒見って……。大丈夫だよ響、こんなにおいしそうなのに」
「そこが問題なんだよ。一学期に私が食ったときも外見は今みたいにスゲーうまそうだったよ。けどな……食ってみたら激甘だったんだぜ? それ以降も結構食ってみたけど、外見はいいんだ。それなのに味が期待を裏切るんだ」
なんとも遠い目をしながら座っていても見渡せる海を眺める響に、シャルロットとラウラは苦笑い。セシリアは申し訳なさそうにしている。
しかし、響は一度小さく溜息をつくとバスケットからサンドイッチを取り出し、一口頬張った。
3人はそれを息を呑みながら見つめる。
「ムグムグ……ゴクン。……うん、まぁ悪くはない。以前と比べれば天と地だ。随分うまくなったほうだと思うが……セシリア、ちょっとレシピ見せてみろ」
響が言うと、セシリアは渉からもらったレシピデータを響に見せた。それを受け取った響は眉をひそめうなる。
「どうかしたのか?」
「んー? なんつーか、レシピにあるものとは一つ別の味がするんだよなぁ……」
「別の味?」
ラウラの問いに響は頷くともう一度サンドイッチを頬張りレシピと見比べる。すると、何かに気付いたのか響はセシリアに問うた。
「セシリア、お前なんでケチャップを入れた? あとソースも入れたろ?」
「え、それはなんと言いますか……色合いが足りないと思ったので……」
「それだ」
指を鳴らしながらセシリア
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