第十七話 聖魔剣ですか緋想の剣ですか
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ギィン! ギン! ギン! ギィィィン!
透明な刀身と僕の剣が火花を散らす。僕は彼の攻撃をすべていなしていた。
「ーーッ!」
フリードは目元を引きつらせ、驚愕の表情になる。
「そうだ、そのままにしておけよ」
横殴りにゼノヴィアが介入してくる。左手に聖剣を持ち、右手を宙に広げた。
「ぺトロ、バイオレシス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ」
何かの言霊を発し始めている。何をするつもりだ?
疑問を感じていた僕の視界で空間が歪む。歪みの中心にゼノヴィアは手を入れた。無造作に探り、
何かを掴むと次元の狭間から一気に引き出してくる。
ーーそこにあったのは一本の聖なるオーラを放つ剣。
「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。ーーデュランダル!」
デュランダル!?エクスカリバーに並ぶほど有名な伝説の聖剣だ。しかも斬れ味だけなら、最強だと聞いている。それを何故彼女が?
「デュランダルだと!」
「貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!」
バルパーばかりか、コカビエルも流石に驚きを隠しきれない様子だった。
「残念。私は元々聖剣デュランダルの使い手だ。エクスカリバーの使い手も兼任していたに過ぎない」
ゼノヴィアがデュランダルとエクスカリバーを構えた。聖剣の二刀流ーー。
「バカな!私の研究ではデュランダルを扱える領域まで達してはいないぞ!?」
「それはそうだろう。ヴァチカンでも人工的なデュランダル使いは創れていない」
「では、何故だ!」
「イリナたち現存する人工聖剣使いと違って私は数少ない天然物だ」
ゼノヴィアの言葉にバルパーは絶句していた。ゼノヴィアは僕たちと違い、元から聖剣に祝福された者だったようだ。
「デュランダルは想像を遥かに超える暴君でね。触れたものはなんでもかんでも斬り刻む。私の言うこともろくに聞かない。故に異空間へ閉じ込めておかないと危険極まりないのさ。使い手の私ですら手に余る剣だ。ーーさて、フリード・セルゼン。お前のお陰でエクスカリバーとデュランダルの頂上決戦ができる。私は今歓喜に打ち震えているぞ。一太刀目で死んでくれるなよ?精々エクスカリバーの力を存分に振るうことだ!」
あのオーラ、僕の聖魔剣以上の力を発揮している!
「そんなのアリですかぁぁぁぁ!?ここに来てチョー展開!クソッタレのクソビッチが!そんな設定いらねぇんだよぉぉぉぉ!」
フリードが叫び、殺気をゼノヴィアに向けた。目には見えないが、枝分かれした透明の剣を彼女に放ったのであろう。
ガキィィィィン!
たった一度の横凪ぎで、枝分かれした聖剣エクスカリバーが砕かれて姿を現した。
デュランダルからの剣風の余
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