暁 〜小説投稿サイト〜
箱庭に流れる旋律
打楽器奏者、登場する。
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?で、後ろの二人はラッテンに倉田ユイで、そっちのは・・・」
「あ、自分は風間レヴィ、皆さんの護衛みたいなことしてるっスよ」

 そういえば、さっき自己紹介したばっかりだった。
 レヴィちゃんはステージに上がってなかったから、知らなくて当然か。

「それで、話というのは?」
「いや、少し話を聞いときたくてな。昔、魔王“奇跡の歌い手”とは一悶着あったからな」

 その言葉に、僕はどう反応していいかわからなかった。
 先代は、魔王だった・・・そうである以上、被害にあった人は当然いるわけで・・・

「ま、その辺りについては今の演奏を聞いて何となく分かったけどな。奏は、そんなやつじゃなさそうだ」
「・・・ありがとうございます」

 正直に嬉しかった。
 偏見からこられるのは、かなりきつい・・・

「で、だ。オマエさんはなんだって同族を集めてるんだ?」
「・・・どうして、気になるんですか?」
「主催者権限を手に入れるかもれないんだ。気になって当然だろう?」

 まあ、危ないものをもつようになるんだもんね。
 気になって当然、か。

「特に、深い理由はないんですよ。ただ、一緒に音楽を演奏する友達が欲しいだけです」
「嘘では・・・なさそうだな」
「分かるんですか?」
「これでも、無駄に長くいきてるんでな」

 年の功、ということでしょうか?

「なら、あんたに任せるのが一番だろうな」
「えっと・・・任せる、というのは?」
「“音楽シリーズ”を、だ」

 ガロロさんのその言葉に、僕は心底驚いた。
 まさか、ここでその名前が出てくるとは・・・

「白夜叉から“狂気の指揮者”の事を聞いて、な。うちのコミュニティにも“音楽シリーズ”のギフト保持者はいるんだが、たった一人。音楽シリーズは同族でしか相手できないというのがセオリーだから、そんな相手から守れそうにないからな」
「そう、ですか・・・でも、あまりいい待遇は出来ませんよ?」

 これは、はっきり話しておいたほうがいい。

「知っての通り、僕たちのコミュニティは“ノーネーム”です。それも、打倒魔王を掲げている。必然的に、その戦いに巻き込むことになってしまいます。参加することも、かなり可能性は高いです」
「まあ、そうだろうな」

 でも、といいながらガロロさんは続ける。

「コイツ本人も行きたがってるし、何より、“狂気の指揮者”とやらに襲われたときの方が心配だ」
「・・・分かりました」
「そうか。ほら、オマエからも挨拶しろ」

 そこで話が纏り、ガロロさんは自分の影に隠れていた子を前に押し出す。
 そのこは恥ずかしそうにもじもじしていましたが・・・やがて、顔を上げて挨拶をしてくれました。

「は、初めまして!ロ・・・私は、
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