SAO編
第一章 冒険者生活
3.後ろではなく
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防衛メンバーが決まって、さて次はどうするという場面に来てクラウドさんが言いだした。
「……そうだ。皆がこの周辺で戦ったモンスターを教えてくれないか? 襲ってくるモンスターの対処法が分かっているかどうかで危険度も随分違ってくると思うんだ」
クラウドさんの言葉に全員が頷き、各PTの代表がモンスターを言い合った。
まあ結論から言えば、わたしたちが今まで倒してきたモンスターだけだった。対処法もおおよそ解っているし、味方と離れずぎて孤立とかしなければ十分に戦えると思う。
これならば、と全員が少しばかりの安堵をしたとき、キリュウさんが発言した。
「……待て。まだ言っていないモンスターがいる」
「?」
ネリー、レイア、わたし含め、その場にいたキリュウさん以外のプレイヤーが顔に疑問を浮かべた。
――はて? まだ出てないモンスターなんていたッスかね?
キリュウさんPTの一員であるわたしも知らないモンスター?
横を見るとネリー、レイアも同様に首を傾げている。
「……この村に来る途中で、俺は《ロウアー・ゴブリン》というソードスキルを使う亜人型のモンスターと戦った」
キリュウさんが全員を見渡しながら言った。
――ってあああ! そういや言ってたッスね! キリュウさんしか戦ってないし、わたしらは姿も見てないから忘れてたッス。
ネリーたちも思い出したようで、そういえば、というような顔をしている。
「!?」
でも、私たち以外のプレイヤーの顔は、どう見てもかなーり驚愕していた。
「なっ……嘘だ! はじまりの街から此処ら周辺一帯には、まだソードスキルを扱うMOBは出てこない筈だ!」
リックさんの影に居たひょろひょろなモヤシっ子という印象の男の人が、ジョーストさんの如くいきなりヒステリックに叫んだ。
怒声というよりは悲鳴に近い声で叫んで、両目を見開いてぷるぷる震えながらキリュウさんを凝視するその人。ほとんど肉の無さそうな体に装備している防具が、かなり不釣合いに見える。
「ああ、悪ぃ。こいつはな、《ベータテスター》なんだよ」
「なっ!?」
リックさんがそのモヤシさんの肩に手を置きながら言った。何故か数人ほど驚いている人が居る。
《ベータテスター》。
わたしのイトコも一応そうだったと聞いた。もっとも、仮想(VR)酔いが酷かったらしく、本人は三日で諦めたらしいけど……。
ベータテスターだったイトコの協力もあり、わたしら三人はSAOを手に入れることができたんだ。
まあ、そのせいで今大変な目に遭ってるんだけどね……。
「でもコイツよ、テスターのくせに戦闘はからっきしでなぁ。まあ、SAOの知識は人一倍だから? 俺らのPTに入れてやってるわけだけ
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