SAO編
第一章 冒険者生活
2.怒涛
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ードスキルを放ってきた。恐らく俺に一撃入れて気を良くしたのだろう。
しかし、今度は問題無く避けれる。ただで攻撃を受けるほど俺も甘いつもりは無い。
今までの経験から、ソードスキルには三つの弱点があると考察できる。
一つは初動の形に構えたとき。システムアシストが起ち上がるための硬直が一瞬だけ生じる。これでソードスキルが出ることを予測できる。
二つ目は初動の構え。その構えの形は技によって一つ一つ違うらしく、一度見ればその構えから技を割り出すことができる。
三つ目は技後硬直。技さえ避けてしまえば、その後は数コンマ無防備になっている所を攻撃できる。
ゴブリンの初動でソードスキルによる攻撃とその技を察知し、攻撃範囲外に移動することで避ける。
後は技後硬直で固まっているゴブリンの頭目掛けて攻撃するだけだ。
左肩を発射台のように滑らせて勢いがついた所を体を回転させて更に押し込むように刺突を放つ。
「グ、ギーッ」
正確に眉間を貫かれたゴブリンは、パリーンという破砕音と共に粉々に砕け散った。
「……ふぅ。…………んく、んく」
俺は槍を地面に突き刺し、腰のポーチから回復ポーションを取り出して飲んだ。渋味と酸味の混じったような味が口に中に広がるのを感じながら、俺は自分のHPを見る。
――六分の一、といったくらいか。
武器で受けなかったにしては思ったよりダメージが少ない。当たる瞬間に僅かに後方に下がったことが功を奏したか……。
少しずつだが回復していくHPを確認した俺は、周囲に《索敵》をかけた。
「キリュウさーん、大丈夫ですかー!?」
間も無く俺が来た方向から三人と少女が現れた。
三人は俺を心配そうに見ていた。恐らく俺のHPが減ったことを見て不安になったのだろう。
「……ああ。少し油断したが、大丈夫だ」
俺の言葉を聞いて安堵の溜息を吐く三人。その様子を見て、俺はこの三人の師匠として、これ以上心配をかけるわけにはいかないと思った。
――もう、決して油断はしない。
そう俺は固く心に決めた。
その後暫くすると、俺たちは大きく開けた場所に出た。
そこは森に隠れるように存在する村だった。周りを簡素な木の塀で囲んでいる二百人も住めなさそうな小さな村だ。
村の入口であろう小さな門に着くと、NPCの少女が俺たちの前で振り返って両手を広げた。
「此処がわたしの村、《エウリア村》だよっ」
疲労困憊な俺たちとは正反対に明るい声で少女が言う。
ようやく着いた。言葉は出さずとも皆同じ思いだったに違いない。
《ロウアー・ゴブリン》を倒した後は、二匹以上のモンスターが同時に現れるといったことは無く、それは非常に助かった。武器の耐久値も
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