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魔法少女リリカルなのはStrikerS-King Seong clone of another-
覚醒
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――――あき……らめる? こんなところで。まだヴィヴィオも助け出していないのに……?

 心の中で自らに問いかけながら聖は虚ろな目を自らの目の前で話すドゥーエに向ける。しかし、彼女はそれに気付かずにいる。

 ――――こいつ等を捕まえるんじゃなかったのか? そして、ヴィヴィオを取り戻すんじゃなかったのか?

 ドクン、ドクンと心臓の鼓動が異様なまでに大きく聞こえる。同時に体がふつふつと熱くなる。

 ――――バカヤロウ。新人共にも言ったじゃねぇか。諦めるなって、だったらこれしきのことで諦めるわけにはいかねぇだろうよ。

 心の中で自分を奮い立たせ、聖はゆっくりと口を開く。

「……つな、……ード。リ……ース」

 途切れ途切れだったが辛うじてドゥーエにも聞こえたのか、彼女は聖を再度見上げる。すると、聖は先ほどまで虚ろだった瞳に光をともし、高らかに告げた。

「安綱!! モード・リリース!!!!」

 聖が言うと、安綱が待機状態に戻った。そして、聖も自ら魔力を放出し、岩の拘束から脱する。

「あらぁ? 戦闘状態を解いたってことは……いよいよ諦めたのかしら?」

「ハッ!! 誰が諦めるかよ! 言ったろ、テメェらを捕まえるってなぁ!! やるぞ、安綱!!」

〈わかりました〉
 
 彼が命じると、安綱もそれに返答した。

 その反応にドゥーエとクローン達は身構えた。

「……安綱、封印解除!! 真名解放!!」

〈真名解放、了解〉

 それとほぼ同時に彼の体から白銀の魔力があふれ出す。するとドゥーエはクローン達の後ろに下がり、クローン達はそれを守るように壁を作った。
 
 だが聖はそれでもお構いなしに叫んだ。

「安綱改め『クラウン』!! セットアップ!!!!」

 その瞬間、体から溢れていた白銀の魔力が七色に輝き始めた。そして、聖の身体にも異変がおきる。

 黒だった髪の色が塗料がはがれるようにはがれ、ヴィヴィオと同じ色の髪が覗いた。そして、片方の瞳にひびが入ったかと思うと、その下から緑色の瞳が現れた。

 その姿はまさにヴィヴィオと瓜二つ。

 しかし、彼の表情は苦しげだ。

 ……痛いな。だけど……こんなもんで音を上げるわけにもいかねぇんだよ!!!!

 痛みを払うように聖は己を鼓舞すると、詠唱を始めた。

 ――――我が腕に宿るは聖なる力――――

 ――――我が胸に宿るは王の魂――――

 ――――不退の力よ今こそ形となりて現出せよ――――

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

 体中に走る激痛を無視しながら聖は全ての詠唱を完遂する。

 そして、彼の姿は完全に七色の魔力に包み込まれた。

 光の中で聖の身
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