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魔法少女リリカルなのはStrikerS-King Seong clone of another-
覚醒
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〈恐らく、闘争本能のみを強化したのでしょう。余分な感情は全て排除し、ただ貴方を叩き潰すことのみに執着しています〉

「……クソが。どこまで行ってもこいつ等は道具ってわけかよ」

〈スカリエッティに人間らしい感情などありません。油断すればこちらがやられてしまいます〉

 防戦一方のまま聖はドンドンと追い込まれる。それに苦々しい顔をするものの、連続攻撃のせいで攻める隙が見当たらない。

 しかし、三人目の攻撃が止んだところでほんの一瞬、僅かに隙が生まれた、聖はそれを見逃さなかった。

「悪いな……。今度は殺させてもらうぞ……」

 低く言い放った聖はクローンの身体に安綱を突き刺した。

 クローンの腹部から鮮血が舞う。

 そして、安綱の刀身を血液が伝い、地面に落ちる。

 普通であれば確実にこれで大抵の人物は痛みで動きを止めるだろう。

 しかし、まだ終わりではなかった。クローンは腹に安綱が突き刺さっているのにも関わらず、聖に攻撃を仕掛けてきたのだ。

「っ!?」

 聖はすぐさま安綱を引き抜き後ろに飛び退き、攻撃してきたクローンを見据える。確かに彼の腹部には安綱につけられた風穴が開いている。そこからは血がボタボタと流れ出し、傷の深さを表している。

「あぁ、言い忘れたけど。その子たちの痛覚も全て排除してるから。それに恐怖心もね」

 聖の驚きに答えるようにドゥーエがクスクスと笑いながら言うが、聖は彼女の方を睨みつける。

「どれだけ腐ってやがんだテメェらは!!」

「あーらぁ? 昔アレだけ自分を殺しておきながら全部私たちのせいにするのかしらぁ?」

「黙れこの外道が!! 命をなんだと思ってやがる!!」

「命ねぇ……別にいいじゃない。クローンでいくらでも生み出せるんだから」

 狂気に満ちた彼女の言い分に聖はますます怒りを募らせていく。そして、血を流しながらも攻撃を続けるクローンと、残った二人の攻撃をかわす。

 しかし、血を流してまで向かってくる敵に動揺が走ったのか、聖は回避運動が遅れた。

〈聖様!?〉

「チッ!?」

 聖は咄嗟にシールドを張るが、そのシールドは容易に破られ三人分の拳が聖の身体に叩き込まれた。

「ごぁ……っ!?」

 声にならないくぐもった声と、口から大量の血を流しながら聖はまたしても吹き飛ばされる。今度は近場にある岩山に激突し、体が岩に食い込んだ。

 頭からも出血しているのか彼の顔面を血液が伝う。すると、クローンたちとドゥーエがやってきて岩に食い込んでいる彼を見上げた。

「少しは頭が冷えたかしら? もういい加減諦めて戻ってきなさいな」

 ドゥーエは言うものの、今の聖にその声は全く聞こえていなかった。

 
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