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魔法少女リリカルなのはStrikerS-King Seong clone of another-
覚醒
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いる自分自身。

 それらが今相対している自分自身を攻撃しようとするたびに、フラッシュバックするのだ。

〈聖様!!〉

「っ! しまっ!?」

 安綱に呼びかけられ、雑念を振り払うものの、既に遅かった。

 聖の眼前にまで迫ったクローンの一体が、彼の鳩尾を抉るように拳を叩き込み、聖は大きく後ろに吹き飛ばされた。

「ガハッ!!」

 しかし、追撃は収まらず、聖の後ろに回りこんだ一体が彼を上に蹴り上げ、それを追うようにシューターを放った。

「な……めんなぁ!!」

 空中で態勢を立て直し、何とかシューターを掻き消すが、シューターの方に気を取られていたためか、またしても後ろに回りこまれた聖はそのまま、背中に強烈な踵落としを喰らい、聖は地面に叩きつけられた。

 肺に貯蔵されていた酸素が一気に排出され、聖は一瞬呼吸が止まる。また、彼がたたきつけられた影響で、地面にはクレーターが出来ていた。

「ゲホッ! ゲホッ、グッ!?」

 数度の咳のあと、聖の口からは血が吐き出された。

 それに苦悶の表情を浮かべながら聖は、安綱を地面に衝き立て、何とか身を起こした。

 目の前には三人のクローン達が戦闘態勢を取っていた。しかし、ドゥーエが後ろから指を鳴らすと、彼等は構えを解き、背筋を伸ばした。

「どうエシェク、いい加減諦めはついたかしら?」

「ふざけんじゃ……ねぇ。誰が、諦めるか……グッ!? ゴホッ!」

「そんな状態でまだ強がれるなんて……まぁそんなところも好きなんだけれど。でも、いい加減飽きて来ちゃったからもうお終いにしましょうか。リミッター解除」

 ドゥーエが言うと、彼女の後ろにいたクローン達の装着しているバイザーの色が変化した。先ほどまで緑色に光っていたものが、赤く染まったのだ。

「やりなさい。但し殺さない程度にね」

 ドゥーエが命じた瞬間、先ほどまで以上の速度でクローン達が聖に迫った。しかし、彼等の動きに先ほどまでの連携は見られない。仲間にぶつかることも承知の上での攻撃だ。

 否、もはや彼等に仲間などと言う概念は存在していない。ただ目の前の障害物を排除するということしか感じられない。

 尋常ではない殺気を浴びた聖は、後ろに後退し、間一髪初撃を避ける。だが、その後も追撃は続く。しかし、聖も負けじとそれを安綱を振るいいなして行く。

〈先ほどまでと格段に早さが上がっています。それに攻撃も重くなっています〉

「んなこたぁわかってる! ドゥーエの野郎、何をしやがった!?」

 安綱と話しながらも聖は攻撃をいなし続ける。先ほどまでと違い、連携が取れていないためか一個一個の攻撃を避けるのはたやすくなってきた。しかし、まともに喰らえばかなりのダメージだろう。

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