第1部その3:友達思いなのはお互い様じゃね?
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し」
「は?」
いかんいかん、危うく思っていた事が口から出ていた。
なるべく別の事を考えよう。
例えば……そうだな………………そう言えばこの周りって良い車走ってるよな……。
ベ○ツとかポ○シェとかB○Wとかゲルマンな高級車がいーっぱい駐車場に停まっている。
親父の車なんて軽トラだぜ、ス○キのキャ○ーだぜ、ぱみゅぱみゅだぜ、仕事で使ってんだぜ、そのくせ自家用車なんだぜ。
「あー畜生、この辺りに不発弾とか埋まってねーかな?」
「お前さっきから何なんだ?大丈夫か頭?」
「大丈夫だし、全然ッ!俺は至って冷静だし」
「お、おう…」
いかん危ない危ない危ない……。
危うくダークサイドに堕ちる所だった。
今度こそ別の事考えよう…………。
と、思っていたらキングオブKYの啓太がとんでもない事を口走ってきやがった…。
「しかしここ凄ぇーよな、ここに停まってるベ○ツ全部Sクラスだし、ベン○レーもあったし、アレは……すっげー!本物のラン○ルギーニかよ、して、こっちはラン○ア・ストラトスもあるし、モーターミュージアムかこの町は!?」
「畜ッ生ーーーー!!!」
世界とは往々にして不公平である。
俺は埋まる事の無い格差って奴に溢れ出んとする己が感情を抑えきれず思わず大声で叫んだ。
と、貧乏人の息子であるこの俺がこの世の不条理さに嘆いていると、俺達の進行方向約50メートル先に二人の女の子の姿が現れた。
片方は見た事のある子だった。
腕を組んで仁王立ちなんかされているその人物は、暫く前に啓太の金の珠をお蹴り上げになられた事で「俺達の中で一躍有名となった人物」で知られる『アリサ・バニングス』さん。
そして、その隣にいらっしゃるのは…どちら様だろうか?
紫色がかった長髪に白いリボン。
バニングスさんとはまるで対照的な、どこかお淑やかそうなオーラを遺憾なく放射されているその人物は間違う事無きお嬢様である。
つーか、聖祥大付属小の制服着て、この近くに住んでいて、おまけにバニングスさんと一緒にいるって時点で只者じゃ無ぇのは分かる。
多分この子が高町さんの言っていた『月村すずか』さんなのかな?
兎も角、進路上を通せんぼしている彼女達によって俺達はチャリを止める事を余儀なくされた訳である。
激しく嫌な予感しかしない。
「……待ってたわよ、アンタ達」
第7ハッチから出現しそうな程の見事なガイナ立ちでもって俺達にそう言ったのはバニングさん。
鋭い瞳と口角を釣り上げた彼女の表情は絵に描いた様な不敵な笑みってヤツで、俺の不安を一層引き立てる。
スーパーイナズマキックを喰らう前の宇宙怪獣ってもしかしたらこんな心境なのかしらん?
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