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あと三勝
第一章
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て勝てば優勝するということになった。
「あと三試合か」
 西本は新聞を見ながら呟いた。そして順位表を見た。
 首位はやはり日本ハム。マジックは一となっている。次の試合に勝てば優勝だ。
 それに対して近鉄は三戦全勝しなければならない。優勝は絶望的だと誰もが思っていた。
「おい、どう思う?」
 西本は側にいたコーチの一人に問うた。
「どうと言われましても・・・・・・」
 彼も悲観的であった。やはりこの状況では優勝が難しいことは誰の目にも明らかであった。
「あと三勝やな」
 西本は彼に対して言った。そしてカードを見た。
「この試合、絶対勝つで」
 そう言うと席を立った。そして側に置いてあった鞄を手にした。
「後楽園へ行く準備や。すぐ出発すんで」
「は、はい」
 コーチは西本に急かされるようにしてその場をあとにした。西本が見たそのカード、それは首位日本ハムとのカードであった。

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