第六十ニ話
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、サラマンダーに対し新生《銀ノ月》を銃のように構えた。あまり使いたくはないのだが、四の五の言ってはいられない。
「何の真似だ!?」
……俺がサラマンダーの立場だったらそう言っただろう台詞とともに、サラマンダーの手のひらから特大の火炎弾が発射される。……確かあれは、数秒後に爆散して火炎弾を撒き散らすタイプ。
「……頼む!」
サラマンダーが放った特大の火炎弾に対し、新生《銀ノ月》の刀身が、俺が引き金を引くとともに、弾丸のようなスピードで吹き飛んでいく。そのまま分裂するより早く火炎弾に直撃し……火炎弾を消滅させながらサラマンダーに飛来した。
「ハアっ!?」
敵のサラマンダーだけではなく、俺やリズの驚きの声が重なりながら、俺の手の中の新生《銀ノ月》の刀身がひょっこりと生えてくる。もはやこの新生《銀ノ月》関係で、何が起きようとも驚かないことと、決して残るスイッチを押さないことを誓った。
「……くっ、このっ!」
刀身が飛来したサラマンダーは、流石にリーダー格というだけあってか、驚愕に包まれながらも刀身の弾丸を避けて見せる。だがギリギリかすったらしく、胴の部分の装甲が削り取られていた。
……そして、それを狙いすましたようなタイミングで攻撃する人物がいた。シルフの短剣を使い――レコンだ。再び《ホロウ・ボディ》を使ってリーダー格に接近――警戒されていたようで、遅くはなったが――しており、刀身の弾丸が削り取った装甲の内側に、その短剣を突き立てた。
「えいっ!」
非力なアバターに加えて短剣自体の威力も低く、サラマンダーのHPゲージは僅かしか削れないが――代わりに、そのHPゲージが異常を示すグリーンに点灯する。
「麻痺毒、か……」
自らが受けた攻撃のことについて理解した、リーダー格のサラマンダーが飛行を保てなくなり墜落する。そこまでの高さではない以上、墜落によってHPゲージが全損することはないだろう。
よって追撃と行きたいところだが……それより先に、俺はレコンの前へと飛んだ。先程増援をメッセージで呼んでいた――ひいてはレコンに火炎放射を発射した――サラマンダーが、かなり上空でレコンに対して手をかざしていたからだ。
「ショウキさん……あっ!?」
レコンは俺が飛んで来たことで、ようやくそのサラマンダーに気づいたらしく、何かは分からないものの魔法の詠唱を始める。しかし間に合うはずもなく、俺とレコンに対してバーナーのように火炎放射が発射された。
「消し飛べ!」
その自信からサラマンダーに行える最大火力のようで、それに違わない規模の火炎放射の連射。良く見ればサラマンダーのHPゲージが減っており、ただの魔法ではないような雰囲気を発している。
「さて……」
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