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SAO−銀ノ月−
第六十ニ話
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らを『消えた』と錯覚し、まさに距離を縮めるように移動する技術。アインクラッドと同じようなこの場所なら、やはり問題なくその技術は発動し、サラマンダーの死角に回り込む……だけではない。

 SAOにはなくALOにはあるこの翼。縮地によって移動した後に、即座に翼を広げて飛翔することにより、結果として上空から襲って来たサラマンダーの、さらに上空へと移動することとなる。

「こっちだ……!」

 そのままこちらに気がつく前に、サラマンダーの一人の頭に《縮地》と飛翔の重さが乗ったかかと落としが炸裂する。そして彼には悪いが、ここで新生《銀ノ月》の試し斬りをさせてもらうとしよう……!

「抜刀術《十六夜》!」

 勢い良く鞘から抜かれた高速の斬撃は、サラマンダーの重装甲をものともせずに切り裂くと、その内側の脆い生身へと到達する。斬撃の手応えを感じながら、そのままさらに一回転し、回し蹴りを放ってリズがいる方向へと蹴り飛ばす。

「リズ、パス!」

「任せときなさい……よっと!」

 回し蹴りを食らったサラマンダーは、そのまま勢いと慣性に従ってリズの方に吹き飛んでいき、リズのメイスによる追撃をもらう。新生《銀ノ月》に切り裂かれた重装甲に、リズのメイスの一撃は耐えることは出来ず、鎧が自壊すると共に、本体もリメインライトとなって消失する。

 残るはサラマンダーが二人にシルフが一人。サラマンダーたちはあからさまに俺から距離を取り、シルフは先程からその姿を見せない。

「おい、増援を呼べ!」

 残った二人の内のリーダー格が部下に命令すると、魔法を詠唱し始める。先程の火炎放射よりかは早く詠唱が終わると、小さな火炎弾が複数乱射された。

 散弾銃のような広がりを見せるその火炎弾だったが、比較的中距離だった為に、その攻撃は無理せずとも避けられる。しかし、その火炎弾が連続して炸裂し、意地でも増援とやらが来るまで近づかせたくないらしい。

「ショウキ!」

 特大の火炎弾が分裂して散弾銃になる、といったバリエーション豊かな火炎弾にリズの心配する声が上がるが、随意飛行の自由度もあって何とか避け続けられている。しかし、この魔法の対象がリズに向かっては……まずいことになる。

「……大丈夫だ、リズは近づくな!」

 さて、魔法には魔法で対抗するのが、このゲームの常識なのだろうが……初期に魔法を選択したきりで、全く使用していない俺には魔法で対抗することは出来ず、近づかせない遠距離魔法には途端にジリ貧となる。地上ならば《縮地》で無理やりくぐり抜けられるが、残念ながら今は空中戦であるし、こちらのクナイではサラマンダーの重装甲を突破出来ない。

 何発目か分からない火炎弾が俺の翼をかすめて飛んでいき、そろそろ避けるのが限界になって来た俺は
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