少女の作る不可測
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ない。苦しいこじつけであった事に。
史実の話を無意識の内にポロリと零してしまい秋斗は焦った。白蓮然り、曹操然り、この世界の人物はその人となりも経過も全く違う事があるのだと思い出して。
「こ、こんな些細な事に気付いたの?」
「可能性の話だから深く考えないでいい。とりあえず、孫権だけは真正面から叩き潰して手早く引き返して貰うのと同時に、袁術軍の牽制を雛里の計画通りに行おうか。そろそろ軽く兵の準備に動くとするよ。雛里達が起きたら件の事を伝えて、何か変更があったら言ってくれ。それと詠の淹れてくれたお茶、美味しかった。湯のみはついでに片付けとく」
問いかけの答えを聞き、そそくさと部屋を出ていく秋斗の背を見送ってから詠は一つため息をつく。些細な事でさえ気付いてしまえるというのに自分に向けられる感情にはどこまでも疎いのか、と。
「……ほんっとにバカね」
詠は聞こえないように部屋の中で小さく呟き、今は仮眠室で眠る友を想った。
どうか彼女の想いがあの鈍感男の心を治して、救い出せますようにと。
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