『第三十一話』〜決着〜
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少女の頭を優しくなでる。
「お母さんはお前の事を大切に思っている筈だ。今は別の場所でお前を待っているんだよ」
【それ…本当?】
「ああ、本当さ。だから、早くお母さんの場所に行ってやりな」
そう言って空を指す。
【わかった。ありがとうお兄ちゃん】
「お母さんによろしくな」
【うん!】
笑顔で消えていく少女。
[拓斗……]
「辛かったろ、苦しかったろ。人生はいつでもそうだ。後悔と無念がある。それでもそれを乗り切り生き残ったものたちを恨んではいけない!」
そう言って俺が手をかざすと、腕をを漆黒の光が纏う。
「これで終焉にしよう。全ての苦しみを。お前達を天に導くために!」
残りの死霊達に語りかける。
【……あぁ、そうしよう】
「我、魂を誘いし者也
彼の者 一生を終えるも この世に残りし者
この者 いずれ生まれ変わる運命に有り
汝が魂 新たな生命の為 輪廻にて眠りを与えよ!!」
一人、また一人と昇天する死霊達、やがて完全に消え去り、俺は解放された。
【キサマ……イッタイ……ワタシノドウシニイッタイナニヲシタァァァァァァ!?】
【邪】の者が何か叫んでいる。いや、違うな。アイツは【邪】に一番同化しているんだろうな。
「お前も、何時までそうしているんだ?」
【ナニヲイッテイル!?】
「生き帰ったとしても、誰かを糧としたモノじゃ残るのは虚しさだけだ」
【ソンナコトハナイ! ワタシハ、イキルトイウジユウヲ!】
「お前を今でも想ってくれている人に気づかないのか!?」
【…!?】
「そんな人たちを想ってるなら。早いとこ成仏してさ……」
【………】
「今度こそ幸せに生きろよ」
そう言うと腕に纏ったままの光が伸びて【邪】の者を貫く。
【………ありがとう】
そういう声が聞こえた。
アースラside
「終わったの?」
なのはがそう言った。だが、
『残念ながらここからが本番だ』
そう言うと、拓斗の眼がより一層鋭くなった。
その前にいたのは【邪】の者だった。だが、今までの人の声は聞こえてこない。代わりに、
【GAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaAAAAAAAA!!!!!!!!!】
この世の終焉のような咆哮が聞こえた。
『ふぅん…【邪霊】の第二形態か。それにしては影響がすごかったな……まぁいい、あの魂たちの思いを、テスタロッサ家の運命を踏みにじった償いをしてもらおう
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