暁 〜小説投稿サイト〜
あかりの碁
それが、好きだってことだから
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
勝った時は、いっぱいはしゃいで……。
今更だけど、私も…… この人達みたいに楽しく碁が打てるかな?」

「きっと、打てるよ…… 気づいたから、必ず取り戻せる。」

「そうだよね。 そう信じるよ。
今日はありがと、あかりちゃん」

「もう、4時か……長居しすぎちゃった。
私もそろそろ帰らなきゃ。ありがと、明日美さん。
今度は最後まで打とうね!」

「うん!」

そう言う明日美さんの晴れやかな笑顔に、ついドキっとしてしまって
固まったまま動けずに……走り去る彼女の後ろ姿を見送った。


こうして私は明日美さんに楽しく囲碁を打ってもらうという当初の目的を果たした。
そして、私も改めて思った。 楽しく碁を打てるようにしようって。

明日美さんと行くゲームセンターは疲れたけど、とっても楽しかった。
でも、囲碁だって負けてない。 ゲームセンターには負けない。

一手一手が相手との対話である囲碁は、局が進むごとに形を変えて
時に人を翻弄し、時に人を導いていく。
その過程で勝ったり負けたりしながら、たくさんの人と夢を見る。

それはきっと、ゲームセンターでも変わりはしないのだろうけど……
それでも、自分のいる場所が一番優れていると根拠もなく信じるんだ。

それが、好きだってことだから。
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ