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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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の一つだが、それはマスターからサーヴァントへだけではなく、逆もまた然り。

 ゆえにフェンサーが何かしら眼に関する特殊能力を備えていたり、紅い眼の逸話でも持っていればと思ったのだが。

「私に眼に纏わる逸話なんてないわよ。能力自体もない。簡単な魔眼の機能ならあるけれど、現代の魔術師に可能なレベルの域を出ないわ」

 そうなるとこの右眼については完全にお手上げだ。
 赤化と痛み以外の変化が起きるまで、ひとまず放置するしかない。



「とにかく、マスター検証開始するか」

 引き受けた6人のうち一人目となる後輩の家を訪ねる。

 今日中に終わらせる心積もりで、魔術刻印を起動した────────










「あーあーもう、ハズレだハズレ」
「私としてはハズレでよかったと思うけれど」
「まあな」

 時刻は陽が暮れる前。西日に暖かさを感じつつハンドルを切る。
 数時間で6人分の検証を済ませ、結果全員白だったことに少し不満を抱きつつも安堵していた。

 また知り合いがマスターだったとなれば、さすがに気が滅入ってくるからな。
 万が一当たりだった場合を考えてフェンサーを待機させていたが、そういう事態にならなくて済んだのは幸いだった。

 本人への魔術的な検査は当然として、家の敷地から周囲1kmの精査、家に居た家族に至るまで確認したが完全にクリア。
 不在だった家族が……という可能性は0ではないが、魔術の痕跡も魔力の残り香も全く無しだったからそれもほぼない。

 アレで俺が検証した中にキャスターのマスターが居たのなら、そこはもう魔術師として完全な敗北と受け取るに否はない。

「後は凛の方か、全く見当違いかだわなぁ」
「あの騒ぎを起こした以上、尻尾は掴めるところにあるはずよ」
「そう願いたいところだ。報告はまた明日にして、今日はもう帰ろうか」

 回復しきっていない身体で動き回るのは想像以上に疲労が大きかった。

 どちらにせよこれ以上の無理は禁物。
 今日は大人しく引き上げるのが上策だろう。

「そうだな、先に帰ってご飯炊いててく……炊き方わかる?」
「それくらいわかるわよ。お米を研いで炊飯のスイッチを押すだけでしょ?」

 ちょっと不安になる言い方だが、概ねその通りである。

「う、うん。なんかサーヴァントにそんなこと頼むのは違和感あるが、出来ればやってくれ」
「仕方ないわね。私も食べるんだし、それくらいなら構わないわ」

 承諾されたので今後の行動方針が定まる。

 タイミングよく、商店街がすぐ近くだ。
 家に帰る前に今夜の夕飯の献立を考えながら買い物と洒落込もう。

 一旦停止し、後ろに乗っていたフェンサーが降ろす。

 フェ
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